中国、与那国南EEZにブイ 岩屋外相、即時撤去要求
岩屋毅外相は25日、訪問先の中国・北京で王毅(おう・き)外相と会談後の記者会見で、与那国島南方の日本の排他的経済水域(EEZ)で中国が設置したと見られるブイを確認し、王氏に即時撤去を求めたと明らかにした。「受け入れられず、日中関係にマイナスの影響しかないと申し上げた」と強調した。与那国島周辺は地理的に台湾に近く、台湾有事をにらんだ動きとの見方も浮上しそうで、日本側の警戒感が高まっている。 岩屋氏によると、ブイの確認を受け、海上保安庁が24日、航行警報を出した。外観上からは設置後、一定の期間が経過している可能性が推察されるという。 岩屋氏は王氏との会談で、ブイ設置に加え、尖閣諸島を含む東シナ海情勢、中国軍の活動の活発化、一方的な資源開発などに深刻な懸念を伝えた。両国は安全保障に関する意思疎通を深めるため、日中安保対話を開催することを申し合わせた。 台湾情勢に関し、岩屋氏は問題が対話により平和的に解決されることへの期待感も表明。軍事動向を含め情勢を注意していることも伝え、中国側の動きを牽制した。岩屋氏は会談後の記者会見で「台湾海峡の平和と安定が国際社会にとって極めて重要と改めて強調した」と述べた。 与那国島南方のブイについては「中国側に適切な対応を求めていく」とした。