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いま、日比谷公園に大きな変化が起ころうとしている。1903年に「日本初の西洋式庭園」として誕生し、都会のオアシスとして親しまれてきた日比谷公園。そんな場所が東京都と三井不動産が主導する再開発によって、姿を変えようとしているのだ。 【写真】日比谷公園が再開発で激変する…都民の多くが知らない、その「裏事情」 記事前編は「日比谷公園の再開発で樹木が伐採されていく…知ったら唖然とする、その『大きすぎる損失』」から。

江戸期の財産を引き継いで活用してきた日本人

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さてここまで、東京都心には実は緑地が多いこと、官公庁や大学などの用地取得に際し、江戸時代の武家屋敷の存在が大きく貢献してきたことを見てきた。 これは明治の急ごしらえの近代化のみでなしえたものではない。日本の首都は、500年前からの江戸の財産を引き継いで繫栄してきたといってよいだろう。 だが、前編【日比谷公園の再開発で樹木が伐採されていく…知ったら唖然とする、その「大きすぎる損失」】に書いた日比谷公園を始めとして、いま、神宮外苑や葛西臨海公園などで大規模再開発がすでにスタートしている。後楽園エリアもやがてそうなる見込みだ。 実は日比谷～内幸町の再開発自体は、三井不動産の資料によればまだ着工前のはず。なのに、なぜすでに日比谷公園の大規模な更地化が進んでいるのか。それが不思議で調べていると、東京都のウェブサイトで「バリアフリー日比谷公園プロジェクト」という資料を見つけた。 官民一体の計画であるのを隠れ蓑に、まずは「都のバリアフリー計画」として、すでに第一ステップである第二花壇の更地化を済ませてしまったようだ。巧妙である。 一方、三井の資料を見ると、日比谷公園に隣接させてノースタワー・セントラルタワー・サウスタワーという46階建の超高層ビルを建てる。そして、日比谷公園の中央部分をビル群から見下ろせる大芝生として活用し、ランチタイムにはスカイデッキでオフィスワーカーが降りてこられる「庭」のようにするようだ。名目は「内幸町の再開発」だが、実際には日比谷公園と一体化させた高層ビル建設である。 高層ビルを3棟並べて建てるのは、東京駅八重洲口やハレザ池袋の再開発と同じスタイルである。景観が一変するのは間違いない。 公園のバリアフリー化が主眼ではなく、日比谷公園という都心の一等地を「緑地として活用」した高層ビル建設が主目的なのではないかといぶかしみたくもなる。 公園にバリアフリー整備が必要なことは否定しない。しかし、工事の第一段階だけで、すでに広大な花壇が徹底的に更地にされている。最終的にビルの谷間に若木や芝生があり、おしゃれなカフェやキッチンカーが所狭しと並ぶような景観になってしまうのでは、と危惧する。