【MLB】 トレード市場動く ナショナルズの救援右腕ハービーがロイヤルズへ 今季42試合で防御率4.20の剛腕
日本時間7月14日、ロイヤルズはナショナルズから救援右腕のハンター・ハービーをトレードで獲得したと発表した。29歳のハービーは、今季43試合に登板して防御率4.20を記録していた。7月末のトレードデッドラインに向けて、これからトレード市場は本格的に動き始めそうだ。 現在52勝44敗でア・リーグ中地区3位、プレーオフ圏内まで1ゲーム差のワイルドカード4位に付けるロイヤルズが、プレーオフを目指した補強に打って出た。ロイヤルズはボビー・ウィットJr.ら若手野手の台頭、さらにコール・レイガンズとセス・ルーゴという先発2本柱による活躍で、長年の再建から脱出しつつある。ただ一方で、ブルペンは防御率MLB22位と成績が悪く、足を引っ張っていた。ハービーは今季こそ防御率4点台だが、過去2年はそれぞれ38登板以上して防御率2点台を記録。平均約157キロの速球を武器とする剛腕で、ブルペンには有用な補強になるだろう。 ロイヤルズからナショナルズへ移る対価は、ロイヤルズのNo.2プロスペクトである三塁手ケイデン・ウォラスと今年のドラフトの戦力均衡ラウンドA指名権(全体39位)。ハービーは残り1年半の保有期間を残すとはいえ、いささか過大な見返りという印象は拭えない。 ただ、ロイヤルズのファーム組織は貧弱で、トレード補強の弾となる有望株は多くない。だからこそ、戦力均衡ラウンドの指名権をトレードに使えるドラフト前に動き、多少大きな見返りとなっても補強することを優先したのだろう(戦力均衡ラウンドの指名権はトレード可能)。 一方、売り手に回ることが予想されていたナショナルズにとっては良いトレードになった。デッドラインを2週間以上前にしたハービー放出の決断だったが、納得して首を縦に振れるオファーだったということだろう。ナショナルズはまだ守護神カイル・フィネガン、外野手ジェシー・ウィンカーらトレードの噂があるベテランが多く揃い、今後の動向にも注目の球団だ。