阪神・糸井SA 近大の後輩でもある佐藤輝の来季30本塁打突破に期待!クリアのための提言も
阪神の糸井嘉男スペシャルアンバサダー(SA=43)が14日、兵庫県神戸市のほっともっとフィールド神戸で行われたリアル野球盤イベント「THE野球盤」に参加し、近大の後輩でもある佐藤輝明内野手(25)に来季30本塁打突破を期待した。来春キャンプで臨時コーチを務める糸井SAは和製大砲の打撃技術に太鼓判を押した上で、「30発というのは輝にクリアしてほしい」と要望。そのためにシーズンを通して波を少なくするよう提言し、自身の経験を踏まえてオフシーズンの重要性も説いた。 この日も「糸井節」は健在だった。来春キャンプで臨時コーチを務める糸井SA。佐藤輝に期待する来季の数字を問われると、高らかに世界屈指の右打者の成績を掲げた。 「(アーロン)ジャッジです。だから3割2分、60本。甲子園(の広さを)半分にしたらいける」 ヤンキースのジャッジは今季、打率・322、58本塁打、144打点を記録し、ワールドシリーズではドジャース・大谷との強打者対決で世界中の注目を集めた大砲。さすがに佐藤輝といえども…な目標だが、それは糸井SAも織り込み済み。笑顔で言い直した。 「30発というのはもうクリアしてほしい」 とはいえ高いハードルだ。生え抜きでは85年掛布雅之と岡田彰布以来となる大台超え。だが、到達に十分な可能性を持つと見込むからこそ、言葉にした。そのために、金言を授けることも忘れない。 「技術的なことは、あいつはやることを分かっている。1年間悪い時をなくす。それだけでいい。月間MVPも取っている。その月を長く保てるように。技術というよりはどう1年間状態を保つか」 “超人”の目は、佐藤輝の打撃技術がすでに完成の域に近づきつつあると見る。半面、足りない部分を、安定感と分析。その向上に取り組むよう勧めた。仮に直近の月間MVPに輝いた23年9、10月度の26試合、打率・356、9本塁打、26打点を143試合に換算すれば49本塁打、159打点となる。今まで以上に好不調の波を小さくすることで「30発」はおのずと近づく。では安定感向上のためにはどうすれば――。重要なのは今。シーズンオフの取り組みだ。 「やっぱり基本的な走り込み、振る量、そういうところ」 現役通算打率・297と抜群の安定感を誇った糸井SA。自身の経験を踏まえ「基本」の重要性を説き、「ソフトバンクの柳田選手もそれ(オフの走り込み)がなかったら1年間、成績を残せなかったと言っていた」と続けた。その取り組む姿勢についても、すでに佐藤輝と複数回、食事に行って「聞いたら、彼もしっかりやっている」と証言もした。技術、基本はすでに申し分ない。その土台の上に来春、糸井SAの指導が加われば一気に才能開花が見えてくる。 (石崎 祥平) 《データ》阪神選手のシーズン30本塁打以上は10年ブラゼルの47本塁打以降出ておらず、日本選手では07年金本知憲の31本が最後。生え抜き選手では85年の掛布雅之40本と岡田彰布35本以来になる。佐藤輝は新人の21年から昨季まで24本→20本→24本と20本台を続けていたが今季はチームトップながら16本に終わっている。 ○…糸井SAは近大の後輩で、9日の現役ドラフトで巨人から阪神に移籍することが決まった畠にエールも送った。「彼、ほんまナイスガイやから。輝の方が後輩やのに、あいさつとか行くから。同じ大学ということもありますし、頑張ってほしい」。先発、中継ぎ両面で経験豊富な右腕の加入はチームにとっても大きな戦力補強になるはずで「タイガースでひと花咲かせてほしい。頑張れ、畠!」とブレークを願った。 ○…糸井SAは、この日行われたイベントに、同じ阪神OBで本紙評論家・関本賢太郎氏(46)や今成亮太氏(37)とともに参加した。ほっともっとフィールド神戸に野球盤が再現され、予選を勝ち抜いた小学生以下のチームや一般の部チームと対戦。豪快なスイングやパフォーマンスで盛り上げた。試合後に行われたトークショーでは子供たちに「体を大きくするためには、よく食べて寝ること!」などと助言も送った。