衝撃の追体験ホラー『悪魔と夜ふかし』オカルト・ライブを活写した不穏すぎる場面写真
オーストラリアから誕生した異色の追体験ホラー『悪魔と夜ふかし』(10月4日公開)から、テレビの生放送で繰り広げられるオカルト・ライブを激写した場面写真が解禁された。 【写真を見る】デヴィッド・ダストマルチャン演じる深夜のトークバラエティ番組の司会者ジャック 本作は、テレビ番組の生放送中に起きた怪異を“ファウンド・フッテージ”スタイルで描き、全米でスマッシュヒットを記録したホラー映画。「シャイニング」「ミザリー」「IT」などの作品で知られるホラー界の巨匠スティーヴン・キングをはじめ、著名人やメディアもこぞって絶賛するなどアメリカでは大きな話題となった。 監督は、オーストラリアの鬼才コリン&キャメロン・ケアンズ兄弟監督。『エクソシスト』(73)、『キング・オブ・コメディ』(83)など70~80年代の名作映画へのオマージュを盛り込みつつ、クール&レトロなビジュアルとリアルな映像演出で新たな恐怖を創出。『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(21)のデヴィッド・ダストマルチャンが愛嬌と狂気が同居する複雑なキャラクターの主人公を怪演し、圧倒的存在感を放っている。 1977年10月31日。視聴率調査週間にあたるこの日、放送局UBCの深夜のトークバラエティ番組「ナイト・オウルズ」では、司会者ジャック(ダストマルチャン)が、生放送のオカルト・ライブショーで人気低迷を挽回しようとしていた。霊聴、ポルターガイスト、悪魔祓い…怪しげな超常現象が次々とスタジオで披露されるなか、目玉企画としてルポルタージュ「悪魔との対話」著者のジューン博士と本のモデルとなった悪魔が憑くという少女リリーが登場。視聴率獲得に必死のジャックは、“悪魔”を生出演させようと目論むが…。 本作で監督たちが仕掛けた最大のアイディアは、主人公ジャックが生放送中のテレビ番組に悪魔を降臨させようとする点。このたびその生放送の様子を収めた場面写真が一挙解禁された。催眠術を彷彿とさせる白黒の螺旋をバックに強迫観念に追われたかのような表情のジャック。生放送にジューン博士が、少女リリーに悪魔を降臨させようとしている緊迫の場面。番組レギュラーでジャックのパートナーをつとめるガスと生バンド。悪魔が降臨したのか?恐ろしい形相に変貌したリリー。怪しげなカルト教団と思われる集まり。ジャックが闘病中の妻と2人で番組に出演している様子。ハロウィンの扮装をした不気味な雰囲気が漂う観客たち。 ジャックの可笑しみと哀しみとその裏に潜む狂気。何かが確実に起こっているであろう不穏なテレビの収録現場の様子が垣間見え、さらに70年代のレトロでスタイリッシュな衣装や美術も堪能できる。 ホラー映画ファンにとっては、少女と悪魔を描いた『エクソシスト』、『キャリー』(76)、テレビショーを舞台にした『キング・オブ・コメディ』など70~80年代の名作を思い起こす人もいるはず。 この世界観で、構成の妙と独創的な語り口でいまだかつてない恐怖を生み出し、欧米のホラーファンから絶賛された本作。日本では劇中の設定同様にハロウィン・シーズンに公開される。今年のハロウィンはこの映画と一緒に盛り上がろう。 文/スズキヒロシ