しびれた初回今宮健太の守備 格式高い頂上決戦で見せた至極のワンプレー【名物タカ番コラム】
最高の幕開けだった。マウンドには横浜最後の日本一監督(1998年)でもある権藤博氏(85)。打席には小久保監督が入り、敵将の三浦監督が捕手役を務めた。実に豪華な始球式だった。 ■どういう状況!? 速すぎ周東が〝渋滞〟切り裂くスライディング【写真】 ただ、そこにはDeNA球団の日本シリーズに対するリスペクトが感じられた。個人の好みだが、こういった日本球界最高峰の戦いは野球とは無縁の芸能人などを起用するよりも、球界に尽力したOBなどがふさわしい。権藤氏の投球後には敬意を表するように温かな拍手が送られていた。 海の向こうで開幕した米大リーグのワールドシリーズ(WS)も、始球式に登場したのはともにWSでMVP受賞歴があり、球団OBでもあるイエーガー氏(81年)とハーシュハイザー氏(88年)だった。WS開幕直前に死去した球団OBのバレンズエラ氏にささげた始球式は感動的で、すべてに敬意が感じられた。 そんな格式高い頂上決戦初戦は、今宮が見せた初回の遊撃守備にしびれた。1番桑原の三遊間への強烈な打球を逆シングル捕球すると、矢のような一塁送球で仕留めた。 しかも、有原が投じた初球だ。「いい集中力で最初のアウトを取れた。これからも取れるアウトは確実に取りたい」。短期決戦は守備のほころびが勝敗を分けやすいだけに、今宮は胸を張った。チームを落ち着かせる至極の1プレーだった。 (石田泰隆) 【#OTTOホークス情報】
西日本新聞社