<ラグビーW杯>日本がサモアに圧勝でW杯初となる2勝目!
ラグビーのワールドカップのプールB、日本対サモアが3日、ミルトンキーンズのスタジアムMKで行われ、日本は、2つのトライを奪い26-5の圧勝。勝ち点を8に積み上げて試合終了時点でプールの暫定2位に浮上した。サモアとの対戦成績は日本の4勝11敗となった。日本のワールドカップでの2勝目は初。南アフリカ、スコットランド、サモアの対戦結果次第だが、ベスト8進出への可能性を残した。 サモアの試合前儀式「シバタウ」の図太い声がスタジアムに響く。それを迎え討つ日本代表チームには、静かな闘志が満ち溢れていた。 芝生はハイブリッド。日本に有利な環境も整っていた。ナンバー8のホラニ龍コリニアシ、プロップの稲垣が初スタメンとなった。一方、サモアは、司令塔のSOにサントリーでプレーしていて日本を知り尽くしているトウシ・ピシを使ってきた。 日本はスタートから主導権を握る。まずは、スーパーブーツ、五郎丸だ。5分、五郎丸がゴールの左隅にボールを持ち込んだが、反則をとられて幻のトライとなった。だが、その前のアドバンテージで、五郎丸が正面のペナルティキックを決めて3-0と先制した。 サモアはフィジカルを生かすラグビーで攻め込んでくるが、日本は接点の攻防で圧倒していく。 スクラムでは、平均体重で3キロ軽い日本が、優位を保ち、テンポのいいアタックにつなげる。 ラインアウトからも早い展開で、ループパスを繰り返し、サモアのディフェンスを揺さぶっていく。16分過ぎにサモアのナンバーエイトがレイトタックルの反則。シンビンでの退場となり、日本は、五郎丸のタッチキックからトライを狙いにいく。ラインアウトから早いスローでモールを押し込み、苦しいサモアが、再び反則を犯すと、タッチキックから5メートルラインアウトから再度モールで攻め込んでいく。絶好のトライチャンスを演出したが、逆に日本がオブストラクションの反則。 さらに19分、ハイパントをキャッチにいった山田へ、サモアのラウラフォが空中タックルの反則。再びイエローカードが出されシンピンで2人目の退場。日本は、15人対13人という数的有利な時間帯を得た。 日本はゴール前で連続の波状攻撃を仕掛ける。21分、得た反則でスクラムを選択。FWを2人欠くサモアは、アファティアを緊急投入したが、日本はスクラムを押した。サモアの故意に崩す反則を得て、24分に認定トライ。スクラムでサモアを壊した象徴的なトライとなった。ゴールも決まり10-0。 27分、サモアにリズムのいいアタックを続けられたが、松島のスーパータックルから五郎丸がボールを奪いターンオーバー。キックで陣地を下げた。 サモアにミスが目立つ。ディフェンスからプレッシャーをかけられ、ボールを持たれるため、心理的にペースを奪いたいと焦っていたのだろう。34分に得た反則で、五郎丸がショットを選択。正面やや左のペナルティを確実に決めて13-0とリードを広げた。 時間の経過と共にサモアのディフェンスが前に出れなくなってきた。日本は縦へ縦へと粘り強くゲイン。前半のインジュリータイムに突入してからも、フェイズを重ねた日本は、最後に山田が、一人のタックルを絶妙のボディバランスで体を一回転させ外してからゴール右隅に飛び込んでトライを奪う。難しい角度からのゴールを五郎丸が決めて、20-0。日本ペースで前半戦を終えた。 エディ・ジョーンズHCは、「相手はフィジカルで押してくるだろうが、我々は、ボールを動かす。相手がノックアウトを狙ってくるなら、こちらはジャブを打っていく」と語っていた。粘り強い組織的なディフェンスとセットプレーでの優勢がジャブとなって、サモアのミスを誘う。日本にとって理想的な展開である。