ロシア、制裁回避のため暗号資産の活用を試験へ
中央集権的な管理
ロシアがこの新しい法律をどのように利用して統制を強化し、制裁を克服するかについては不確実性が残っている。 この実験的制度は、中央銀行にいつでもあらゆる規則を制定し、試験に参加する企業を自由に選択できる権限を与えるため、世界初の試みとなる。 「ロシア中央銀行にデジタル通貨取引の電子プラットフォームを作成し、活動を監視する権限を与えることは、管理を中央集権化する」と、研究機関RANDの政策研究員補佐ジム・ミニャーノ(Jim Mignano)氏は述べた。 この法律はこのようにダイナミックな規則の制定を認めているため、地政学的要因や新たな制裁によってロシア政府と中央銀行が折を見て法律を変更することになるか予測を立てるのは困難である。 「私は18年以上ロシアの法律を扱ってきたが、法案に『実験的』という文言があった記憶がない」と、ロシアを含む独立国家共同体(CIS)に関連する国際取引についての助言業務を専門とする法律事務所CISロンドンのマネージングパートナー、スベトラーナ・ロンドン(Svetlana London)氏は述べた。 「字面だけから、それが具体的にどのように機能するかを読み解くのはかなり困難だ。」 ダニレフスキー氏は、この法律はロシア中央銀行に実験的な法制度(ELR)を発表する権限を与えているが、現在の形ではELRは「効果的に機能しない」ため、「実施」には「大幅な改良」が必要だと述べた。 そして、ロシアがこの法律をどう実施するかについて明らかにするか否かという疑問が浮上する。先月のモスクワのイベントでナビウリナ総裁の隣に座っていたロシアで2番目の大手銀行VTBのアンドレイ・コスティン(Andrei Kostin)総裁は、このような法律の実施は「国家機密」にすべきだと提案した。なぜなら、現在「米国大使館のどこか」で誰かが我々の発言をすべて記録し、西側諸国が「非常に」迅速に対応できるようにしているからだ。