ロシア、制裁回避のため暗号資産の活用を試験へ
法律面からみると
9月1日の法律施行までの数日間に、いくつかの詳細が明らかになった。 CoinDeskでは、この法律の写しをグーグル翻訳を用いて読み解いていった。そこには「ロシア連邦におけるデジタル通貨の流通中、実験的な法制度プログラムにより特別な規制が確立される可能性がある」と書かれていた。その制度はまだ準備段階にあり、中央銀行は最終決定の前に、国内の利害関係者からの提案や提言を検討する。 「私たちを含め、一部のプレーヤーはすでに独自の提案を出している」と、規制当局と緊密に連携してきた暗号資産のワンストップショップであるキック・エコシステム(Kick Ecosystem)の創業者兼CEOアンティ・ダニレフスキー(Anti Danilevski)氏は述べる。「中央銀行はその提案が自身の見解に合致するかどうか決定するだろう。非常に迅速に事が進められていることから、それほど時間はかからないだろう。」 ブルームバーグ(Bloomberg)は、ロシアは決済の試験時にルーブルと暗号資産を両替するために自国の決済カードシステムを使用する予定であると報じた。このシステムが選ばれたのは、銀行間決済などの機能のためのインフラがすでに備わっており、中央銀行によって完全に規制されているためである。試験が成功すれば、ロシアは来年、モスクワ証券取引所とサンクトペテルブルク通貨取引所に暗号資産プラットフォームの設置を許可するかもしれないと、続けて報じられている。 モスクワの私法研究センターの准教授イヴァン・チュプルノフ(Ivan Chuprunov)氏は、制度の「正確なパラメータは不明」であり、まだ公表されていないものの、「中央銀行は今後数週間で何らかの指針を公表する可能性が高い」と述べた。 この法律はまた、中央銀行がこうした試験の監督方法をいつでも変更できるようにしているようだ。 この法律では、規定により、連邦法の一部を「除外または変更」できるとされている。「認可された組織を通じて外国貿易活動を実施する際のデジタル通貨」との取引に関連している。 この制度は「中央銀行だけが承認する」ため、「より柔軟なもの」であるとチュプルノフ氏は述べた。「取引所が1つだけになるのか、どの通貨が取引されるのか、参加者が取引アクセスをどのように得るのかは、まだまだ未知数だ」。 また、この法律では、暗号資産を扱う企業や暗号資産を扱いたい企業に現在どのような規則が適用されるかは明確に規定されていない。なぜなら、中央銀行がどの企業が実験に参加するかを決定するからである。 この法律ではその正確な目的は規定されていないが、ロシアの幹部指導者らの最近の発言からは、制裁に対抗するために暗号資産を使用することが示唆されている。 2024年7月17日、経済問題を検討する会議でプーチン大統領が、ロシアは「この機会を逃すべきではない」とし、「国際決済の手段として世界でますます使用されている」暗号資産についての「法的枠組み」を速やかに構築すべきだと述べている。 その後、法案の起草者の1人が、ロシアは暗号資産を「主に制裁を回避するためのツール」と見なしていると述べ、続いて中央銀行総裁のエルビラ・ナビウリナ(Elvira Nabiullina)氏は最近モスクワで行われたイベントにおいて、それが暗号資産に対する「姿勢を軟化させた」理由だと発言した。