カネロ・アルバレス vs エドガー・ベルランガ 両者の勝利の鍵 | ボクシング
スーパーミドル級3団体王者のサウル"カネロ"アルバレスがエドガー・ベルランガを相手に防衛戦を行う。両者の勝利の鍵を分析した。
メキシコのスーパースター、サウル"カネロ"アルバレスが無敗のエドガー・ベルランガと対戦する。この試合はアルバレスの持つ3団体のベルトが懸けられる。両者の緊張がついに爆発するこの試合は、DAZNで生中継される。 タイトルだけでなく多くのものが懸けられるこの試合を前に、アルバレス(61勝2敗2分、39KO)とベルランガ(22勝0敗、17KO)の勝利の鍵を分析した。
カネロ・アルバレス 勝利の鍵
■序盤からボディを攻める エドガー・ベルランガがジャブをベースに戦略を展開するなら、カネロ・アルバレスは序盤からボディを攻めることが重要だ。こうすることで、腕を下げさせて隙を作り、後半戦でアルバレスが頭部に強烈な一撃を入れる機会を狙うことができる。 ■カウンターパンチでベルランガを捉える カネロはこれまでベルランガが経験した総試合数以上のタイトルマッチを戦ってきた。この大きすぎる経験の差を活用し、特にカウンターパンチでベルランガを翻弄するだろう。 ベルランガをおびき寄せ、軽い動きで油断させた後、一気に攻勢をかけるカウンターパンチのコンビネーションが、アルバレスにとって決定打となるだろう。予告通り、メキシコのスターがレフェリーストップ勝ちする可能性も高い。 ■ベルランガの積極性を利用する ベルランガは長い間、ジャブを勝利の鍵としてきた。しかし、もしそのプランから離れ、力任せに頭部を狙うような戦略を取るなら、アルバレスは特にカウンターパンチでベルランガをおびき寄せることができるだろう。 ベルランガの積極性を逆手に取れば、アルバレスは破壊的な一撃を放つことができるだろう。
エドガー・ベルランガ 勝利の鍵
■ジャブで道を切り開く エドガー・ベルランガは、アルバレスを最後に破ったファイターであるディミトリー・ビボルと似た体格を持つ。ビボルは2022年5月にユナニマス・デシジョンでアルバレスを下した。ベルランガの身長は185.4cm、リーチも185.4cmで、ビボルの身長183.0cm、リーチ182.9cmに匹敵する体格だ。 ビボルがアルバレスに勝った試合では、ジャブを多用してアルバレスを翻弄したのが功を奏した。ベルランガも同様の戦術を採るべきだ。 ジャブを早い段階から使用し続け、アルバレスのリズムを乱す手段として活用することが求められる。ビボルが実行したように、効果的に打ち続けることが重要だ。 この試合に向けた準備の過程で、ベルランガ自身もジャブが勝利の鍵であると述べており、27歳のベルランガにはその戦略を守り抜くことが求められる。カネロの前に立ちながら、効率的にパンチを放つことが必要だ。 ■ガードを高くタイトに保つ ディフェンスが甘くなると、2021年10月に行われた試合で、マルセロ・エステバン・コセレスがカウンターの右でベルランガを倒したシーンが再現されることになる。 その後、ベルランガは判定勝ちでその試合を終え、ディフェンスに対してより一層厳格な姿勢を保ってきたが、シャープなカウンターパンチャーであるアルバレスに対しては、高いガードを保つ意識が必要だ。さもないと、ミスの代償は非常に大きくなるだろう。 ■パワーパンチに頼らず、大きな隙を見せない ハイメ・ムンギアが右をタイミング悪く出すと、アルバレスはチェックの左フック、右アッパーカット、そしてムンギアの体がキャンバスに倒れ込む際に左ボディショットを追撃して応じた。 ベルランガは、パワーパンチを放ち過ぎないよう注意しなければならない。試合の準備期間中、ベルランガは自分のリングIQがパワーよりも重要であると強調してきたが、自身は6ラウンドKO勝利を予想している。 力任せにパワーショットを放つのは、カウンターパンチを巧みに放つアルバレスに対しては逆効果となる可能性がある。ベルランガが大舞台で冷静さを保ち、ジャブを効果的に使い、適切なタイミングでパワーを発揮することで、驚くべき番狂わせを起こすことができるだろう。
Mark Lelinwalla