有酸素運動は老ける? 筋トレとの両立は? 有酸素運動のギモン(専門家が監修)
笑うことは有酸素運動になる?
「約10分間の笑いで、人は20~40キロカロリーを消費するといわれています」 福島県立医科大学医学部疫学講座主任教授の大平哲也さんは、声を上げて笑うことを推奨する。 「ワハハワハハと笑うのは、腹式呼吸の一つです。腹筋、胸筋と連動し全身の筋肉を収縮させます。腹を抱えるくらい大きな笑いは、より多くのカロリー消費を期待していいでしょう」 大平さんがとくに勧めるのは笑いと運動の併用。 「ランニングもウォーキングも、一人よりも複数でやるのがいい。そこに会話や笑いが生まれるからです。同じようにテニスや卓球のダブルスを楽しむのも、有酸素運動の効果を高めるでしょう。健康面から言うと、ガチガチの体育会よりも、体力の負担の大きくない同好会的な楽しむ運動がいいでしょう」 大平さん自身は1週間に2回、落語を聴きながら走っている。 「笑いながらのランはより効率よくカロリーを消費できるからです。雨天の日のジムでは、マシンのモニターでバラエティ番組を見ながら走っています」
教えてくれた人:大平哲也さん
おおひら・てつや/1965年福島県生まれ。福島県立医科大学医学部疫学講座主任教授。ふくしま国際医療科学センター放射線医学県民健康管理センター健康調査支援部門部門長などを務める。
取材・文/神舘和典(初出『Tarzan』No.874・2024年2月22日発売)