有酸素運動は老ける? 筋トレとの両立は? 有酸素運動のギモン(専門家が監修)
体力アップ、爽快感など、ランニングの効果は大きい。その一方で走り過ぎはリスクを伴う。有酸素運動は老ける? 筋肥大とは両立できない? ありがちな有酸素運動にまつわる疑問について、真実を専門家の知恵も借りて検証しました。
有酸素運動と筋トレは両立できる?
脂肪を燃焼させるのが、有酸素運動。糖質を燃焼させるのが、筋トレをはじめとする無酸素運動。有酸素のマラソンと無酸素の100m走では、求められる体質も体型もまったく異なるが、両者を併用してトレーニングすることはできるのだろうか。成果は上がるのだろうか。 「有酸素運動と無酸素運動はもちろん両立できます。効果的にトレーニングもできます」 きっぱりと言うのは池澤智さん。 パーソナル・トレーニングジム〈トータル・ワークアウト〉の代表で、俳優、モデル、アスリートをはじめ、数多くのボディメイクを手掛け、ミス・ユニバース・ジャパンなど数々のメジャー大会のオフィシャルトレーナーも務めてきた。 「スポーツやビジネスのパフォーマンス向上を目的に、限られた時間で成果を上げるには、無酸素運動が効率的です。うちのジムでも時間に余裕があれば無酸素と有酸素を組み合わせるトレーニングも提案しています。 糖質を使う無酸素運動ですが、低糖質の食事を組み合わせることで、糖質のタンクを早く使い切り、予備のタンクである脂肪を燃やすことができるので、実は効率的な脂肪燃焼を促せます。 一方、初めから有酸素運動だけで脂肪を燃やすのは、実はけっこうストイックな人でないと難しい。有酸素運動を取り入れるのであれば、無酸素運動で脂肪が燃え始めた段階でプラスするほうが上手に脂肪燃焼を底上げできます」 有酸素運動はランでもバイクマシンでも全力の75%を意識。 「二人で並走中にパートナーに話しかけられた時、応じられるけれどちょっと苦しいくらいが目安。話しかけられたくないなあ、と感じるくらいです。走っていて苦しければ、それはもう有酸素運動のレベルを超えていると言えます」 時間は10~20分がいい。 「筋肉量がしっかりある代謝の良いカラダを保つためには、有酸素運動をやりすぎないことも大切。個人差はあるものの、走り始めて20分を過ぎると大切な筋肉が燃え始めてしまいます」