動画生成AI「Sora」でエンタメ動画をつくってみた…!ド素人でも自作動画を楽しめる時代がくるのか?
経験ゼロからどこまでの作品ができるか
ここから筆者はこれらの動画と音楽を組み合わせた軽いエンターテインメント動画を製作することにした。まず(基本的に)無料で使える音楽生成AI「Suno」にアクセスし、そこで「天空を駆けるユニコーンをイメージした20秒程度のBGM」というプロンプトを入力すると、実際に出力されたのは何故か2分以上にもわたるJPOP風の楽曲だった。 そこから筆者はウィンドウズに標準装備されている「Clipchamp」という簡易ビデオ編集ソフト(ChatGPTに教えてもらった)を立ち上げ、そのJPOP風の楽曲を編集用のタイムラインに挿入した。以降はその歌詞や曲調の変化に合わせて、Soraで5秒間の動画を何本も製作。それらの中から使えそうなものを選んで順番にタイムラインに挿入し、つなぎ合わせていった。 その後で操作説明用のキャプションを映像に重ね書きして完成とした(ただし最後がちょっと尻切れトンボの感がある。Soraで製作した動画の本数が足りなかったのだ)。最終的に出来上がったのが、次の動画作品(1分30秒程度)である。 https://www.youtube.com/watch?v=SbXR44BCgmA 御覧になって、どう思われたであろうか?「所詮は素人芸」と貶されてしまうかもしれないが、「(映像制作の)アマチュアでもSoraを使えば、どの程度の物が作れるか」を示すために、あえて今回ご紹介することにした。利用に関する予備知識がほぼゼロの段階からSoraを使い始め、最終的に動画作品を完成するまでに要した時間は3時間程度。長いように思われるかもしれないが、一旦作り出すと時が経つのを忘れた。
高額プランに乗り換える人も出てきそう
ただし、製作後には反省点もいくつか浮かび上がった。 中でも大きかったのは、最初からほぼ場当たり的に次々と動画を製作していったので、あっと言う間に利用回数の上限に達してしまったことだ。月額20ドルのChatGPT Plus(筆者もこれに該当)では、Soraを使って長さ5秒の動画を最大50本/月まで生成できる。 当初は「けっこう沢山作れるんだな」と油断していたが、実際にSoraを利用し始めると「50本」の制限本数など、あっという間に使い切ってしまった。今回の筆者のように、ある程度の尺の動画作品を編集・製作しようとする場合、本来はきちんと計画を練ってからSoraを使っていく方が賢明だろう。 しかし仮に計画的に使ったとしても、多くの人たちにとって「5秒動画×50本」という毎月の上限本数では不十分だろう。ChatGPT Plusユーザーの中でも、日頃から映像制作に関心があって凝り性の方なら、つい誘惑に駆られて月額200ドルのChatGPT Pro(こちらはSoraで最長20秒の動画を毎月500本まで生成可能)に乗り換えてしまう人も出て来るかもしれない。 現在「年間50億ドル(約7500億円)の赤字」と言われるOpenAIにとって、そうした高額プランと今後人気の出そうな動画生成AIの連携提供はしたたかな商品戦略と言える。もちろんある程度の効果は期待できそうだが、劇的な打開策となるか否かはもう少し様子を見ないと分からないだろう。
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