動画生成AI「Sora」でエンタメ動画をつくってみた…!ド素人でも自作動画を楽しめる時代がくるのか?
本当に「自分で作った」と言えるのか?
もう一つ気になる点を挙げるとすれば、これからの社会におけるコンテンツ消費スタイルの変化だろう。今回、自分でSoraを使ってみて実感したのは、動画の製作過程も結構楽しかったが結果的に出来上がった自作コンテンツを自分で鑑賞するのは、もっと楽しかったということだ。所詮素人の作品であるが故に拙い出来でも、自分で作ったとなると愛着が湧くせいだろう。 が、問題はそれが本当に「自分で作った」と言えるかどうかだ。これまでOpenAIをはじめ生成AIの開発業者らは、ChatGPTなど生成AIの開発(機械学習)に使われる各種コンテンツがクリエーターやメディア各社の著作権を侵害しているとして、ニューヨークタイムズのような新聞社を筆頭に、出版、映像、音楽など様々な業界の企業から訴えられている。 「ChatGPTやSoraなど生成AIが出力するものは実はオリジナルの作品とは呼べず、むしろプロのクリエーターらが過去に製作した各種コンテンツのコラージュ(組み合わせ)に過ぎない」というのが彼ら原告側の主な主張である。 それらの裁判はどれも未だ始まっておらず、今後の行方は予断を許さない。が、仮に裁判が始まりOpenAIなどが勝訴して「(Soraのような)生成AIは合法」というお墨付きを貰えば、今後私達は映画会社やテレビ局(あるいは映像制作会社)などプロの提供する作品よりも、むしろ自作の映像コンテンツにより多くの可処分時間を割くようになるかもしれない。これは関係する業界やクリエーターの全体に大きな影響を及ぼすことになるだろう。 【さらに読む】『黒字化のメドが立たない…OpenAIは「本当に大丈夫」なのか?グーグルと比較してわかった「驚きの赤字額」』
小林 雅一(作家・ジャーナリスト)
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