物価高を乗り越える「噴水型の経済」とは?
成長産業への人材移転の鍵はリスキリング
人が成長産業に移動するためには、やはりリスキリングが鍵になると語ります。 木原氏「スキルはどんどん陳腐化する時代。ただ、常に学び直してスキルアップが必要。スキルアップされたものが評価されなければならない。なので、社内と産業すら乗り越えて評価できるジョブ型雇用にしなければならないし、それが賃金に反映されなければならない。最終的に労働移動に反映される」 岸田政権で取り組み始めたこの流れをきちっと仕上げて、本当の意味でトラックに載せることが問われる、と木原氏はコメントします。 木原氏「転職は全員がする必要はない。アメリカやイギリスですらひとつの会社で過ごす人は多い。スキルアップをしたい時にチャンスがあるということが必要。」 「本来はひとつの会社にいてもベースアップされ、賃金がインフレを超えるペースで安定的に伸びるべき。これがメインシナリオ」と木原氏は説明します。 木原氏「岸田政権で一番最初に取り組んだのが賃上げ。定額減税をやってでも物価高を超えていこうとした。他方、リスキリングを促し、成長産業に労働移動を促した」 木原氏は現状を、「30年デフレを続けて消費が伸びなかった時代に、ようやく賃上げが実現したところ」と説きます。賃上げが物価高に追いついていない状況がコストプッシュ型のインフレ(生産費用の増加により発生)にあるとし、岸田政権では定額減税という対処をしてきました。
木原氏「基本的には、賃上げが物価高を超えていきます。物価高がディマンドプル型(総需要の増加によって発生するインフレ)になってくれば、企業の収益に反映され、企業の行動が正しければベースアップにつながる。これからは人手不足の時代。人への投資をしないと企業は人を集められない」 岸田政権下でのコストプッシュ型のインフレは、非常に重要な局面だったので定額減税を行いました。しかし、常に減税をする必要はないと木原氏は解説します。 木原氏「今議論しているのは103万円の壁、経済対策の補正予算。今の局面は非常に重要。インフレになれば、企業にも働いている側にも賃金を上げないとお互いWin-Winにならないというインセンティブが働く」