鳥取県の宝・廣中れなが初のビキニ世界選手権で3位 東京で果たしたもう一つの約束
「今年1年に何一つ無駄なことはありませんでした。夏の約束も果たせましたし、最高の締めくくりとなりました」 【写真】廣中れな選手の独特の世界観
そう語ってくれたのは、廣中れな(ひろなか・れな/34)選手だ。今年の3月から減量が始まり、7月のアジア選手権、9月のオールジャパンフィットネス選手権、10月のグランドチャンピオンシップスーー。廣中選手の長きにわたるシーズン最後を飾ったのは『IFBB 世界フィットネス選手権』だった。12月17日(火)から19日(木)の3日間にわたって東京・有明コロシアムで開催された国際大会で、世界各国から屈強でハイレベルな選手が集まる。 2021年に初のボディコンテストに出場し、今年で4年目。毎年驚くほどの進化を見せ、今ではもうビキニフィットネスの国内トップ選手だ。7月でアジア選手権に出場したものの、世界各国の選手が集う『世界選手権』は廣中選手にとって初めての舞台。ビキニフィットネス166cm以下級にエントリーし、大会前は「TOP6に入れたら最高だな」と思っていたそうだ。 銅メダルを首から下げた廣中選手は、糸がゆるまったかのようなホッとした表情を浮かべながら、こう話してくれた。 「今年はほぼ1年中減量で、大きな大会に何度も出場させていただきました。ありがたいことにサロン運営やパーソナル、ゲストポーズ、講師などのお仕事も増え、ハードな日々を過ごす毎日。大会をお休みしようか迷ったこともありましたが、挑戦してきてよかった。今年やってきたことすべてに、何一つ無駄なことはなかったです」 そしてもう一つ、廣中選手には世界選手権での”約束事”があった。 「アジア選手権で一緒の舞台に立ったビキニ選手と『12月の世界選手権で絶対会おう』と約束していたんです。それを果たすことができ、さらに、目標だった英語でコミュニケーションをとることも達成できました」 背景を聞いてみると、アジア選手権では英語であまり会話ができなかったそうで、今大会のために英語を猛勉強。毎日少ない時間でも英語に触れ、時間を見つけてはオンライン英会話などを繰り返したそうだ。 「トレーニングと一緒ですよね(笑)。継続すること、アウトプットすることが大事だと改めて思いました。自分から質問できるようになったこと、会話をしよう!という前向きな姿勢でいたことで、海外の選手と仲良くなれたし一層視野が広がったな、と」 世界に触れる1年になったことで、身体だけでなく、マインド面でも魅力的な進化を遂げた廣中選手。世界選手権後、廣中選手のインスタグラムには素敵な目標が綴られていた。 「次の目標は世界1択です」
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
取材:小笠拡子 撮影:中原義史