2024年の地価公示発表!上昇率が高かったエリアは? 注目物件や在庫状況など最新市況を不動産アナリストが解説【2024年4月版】
最新の首都圏新築マンション市況【2024年2月度】
続いて、2024年2月度の首都圏新築マンション市場を見てみたい。前月と比べると、落ち込んで見えるものの、まだまだ好調をキープしていると言える結果だ。 2024年2月度の新築分譲マンション発売戸数は、前年同月と比べ502戸減少の1,319戸。前年同月比で27.6%ものマイナスとなる。契約率は、前年同月比3.4ポイントダウンの69.9%となっている。 また、首都圏新築マンションの1戸当たりの平均価格は、前年同月比で346万円、5.1%アップの7,122万円となった。 販売在庫は5,748戸で、前月よりも173戸の減少。2023年2月末の販売在庫5,452戸だったので、昨年対比で在庫が若干の増加となっている。 下のグラフは、過去5年間の首都圏の新築マンション価格(平均価格)と契約率の推移を示す。契約率は好調ラインの70%を下回る結果となったが、ほぼ横ばいと言えるだろう。 首都圏新築マンションの地域別の発売状況 首都圏新築マンションの地域別の発売状況は下表のようになっている。 首都圏すべての地域の新築マンション価格が対前年同月比で上昇している。東京23区が前年同月比で1.0%アップの9,110万円。東京都下が15.4%アップの5,816万円、神奈川県が20.6%アップの6,096万円、埼玉県が7.0%アップの5,066万円、千葉県は、14.9%アップの5,079万円という結果だ。 契約率においては、好不調の目安となる70%を上回ったのは、神奈川県と千葉県。60%を割る地域はなく、依然として新築マンションの売行きは、堅調と言えそうだ。 続いて中古マンション市場を見てみよう。
首都圏の中古マンション市況【2024年2月度】
2024年2月度の首都圏中古マンション成約件数は、前年同月比3.4%増加の3,350件と9カ月連続で対前年比プラスになっている。 成約価格は、前年同月比11.5%上昇の4,859万円。平均成約㎡単価も対前年同月比9.9%上昇の75.52万円。成約㎡単価が前年同月を上回るのは、46カ月連続となる。地域別では、神奈川県以外は成約件数が増加。成約㎡単価は、前年同月比ですべての地域で上昇した。 また、2024年2月の新規登録物件の㎡単価は、74.23万円となっていて前月の73.93万円よりも増加した。中古マンション市場の好調さを表していると言えるだろう。 2024年2月の新規登録物件数は、対前年同月比で2.4%増加の16,730件。在庫件数は、2カ月連続増加し47,628件となっている。前年同月比で6.4%増加しており高水準が続く。 下のグラフは、過去5年間の首都圏の中古マンション価格(成約㎡単価、在庫㎡単価)と在庫件数の推移を示す。2023年春にかけて在庫件数が大きく伸びたが2023年夏以降は、鈍化している。 次に地域別の中古マンション動向を見てみよう。東京都区部の成約㎡単価は、前年同月比で+12.5%となっており高い伸びを示す。 2024年2月度の成約㎡単価は、すべての地域が上昇し首都圏平均で9.9%の高い伸びを示している。2024年2月度の首都圏新築マンション供給戸数は27.6%も減少しており需給バランスの面で中古マンションの価格を押し上げている。 地域別の中古マンション在庫件数を見ると、東京都心に加え、城東、城西、城南、城北と東京23区のすべての地域が減少している。新築マンション価格の高止まりが続くなか、中古マンション価格の上昇が当面は続きそうだ。