【コロナ給付金詐欺】主婦や学生が“誤って受給”も…相次いで発覚する持続化給付金「不正受給」の末路(税理士が解説)
新型コロナウイルスの影響を特に大きく受けた業者は、事業の継続を下支えし、事業全般に広く使える給付金「持続化給付金」を申請できます。一方で、持続化給付金詐欺やコロナ給付金詐欺とも呼ばれる不正受給が相次いで発覚しています。要件を満たさないにもかかわらず受給してしまった方は早めに自主返還しましょう。もし誤って受給したままでいると、どんなペナルティが課されるのか。松本崇宏氏(税理士法人松本 代表税理士)が解説します。
持続化給付金の不正受給は「後悔」を招く
YouTube『税理士松本 ~税金の裏のウラ~』>> 持続化給付金の不正受給の発覚が後を絶ちません。 ネットで「持続化給付金 不正受給」と検索するといろいろな情報が出てきますが、経済産業省のサイトでは不正受給者が公表されていて、氏名がばっちり出てしまうことをご存じでしょうか。 契約を結ぶ際や、会社で働いたり取引を始めたりする際、リーガルチェックとして名前が検索されますが、不正受給者リストに載れば容易に引っかかってしまいます。また、ネットに載るということは半永久的に残り続ける可能性もあり、一時の損失では済まないかもしれません。 給付金系の詐欺は今も多く続いていて、これからもたくさんの不正受給が発覚するのではないかと思います。国は本気で追ってきます。持続化給付金だけではなく他の給付金も含め、要件を満たさないにもかかわらず受給してしまった方は早めに自主返還しましょう。そのほうが傷は浅くなります。
なぜ持続化給付金の不正受給が相次いだのか?
そもそも持続化給付金の対象となるのは、サラリーマンの方などではなく、事業を営んでいた方や副業で確定申告をしている方です。申請できる要件としては「コロナの影響で売上が前年の同月と比較して50%以上減ったこと」を中心に、中小法人や個人事業者等によってさまざまです。 給付額は結構大きく、個人事業主だと上限100万円、法人だと上限200万円を受け取ることができます。申請に当たっての必要書類は、去年の確定申告書や、売上が下がったことがわかる売上の台帳とか通帳の写し、あとは本人確認書類くらいです。 持続化給付金は支給要件のハードルがそれほど高くないうえに、申請書類も少ないんですね。また、PCやスマホから手軽に申請できるという点もウリになっていました。 さらに、給付までの審査に時間がかかりすぎると明日の生活にも困っている人々を救うことができないため、審査をある程度ゆるくせざるを得ませんでした。持続化給付金詐欺はこうした事情を突いた犯行です。あれよあれよと不正受給が出てきてしまいました。 制度が開始されたとたん、SNS上で「申請の代行できますよ」「誰でもできますよ」「今まで確定申告していない人でも大丈夫です」とか、「主婦や大学生でも受給できます」といった不審な投稿がたくさん出回りました。 大前提として持続化給付金の対象は主に「事業を営んでいる方」であるにもかかわらず、事業をしていたかのように装ったり、コロナの影響で売上が前年同月比で50%減少していることという要件をクリアするために各月の売上高をズラして偽ったり。また、売上が減少しても、コロナの影響ではない場合は受給対象になりません。そうと知っていながら申請するなど…。これらの行為は不正受給であり、犯罪です。