エンタメ王国・サウジアラビアがアツすぎる! 初開催の超巨大ゲームイベント「eスポーツ・ワールドカップ」を徹底現地ルポ!
* * * eスポーツW杯が開催されている会場は、リヤド市内にある、観光エリア「ブールバード・シティ」(約90万㎡)の一角にあります。 会場内は、スポンサーの名を冠する「eスポーツアリーナ」と「企業ブース」で構成されています。eスポーツアリーナは、計4つのアリーナに分かれ、それぞれステージの構造に適したゲームが開催されています。どのステージにも巨大スクリーンがあり、オンライン配信を意識した撮影機器や、音響設備など全体的に豪華な造りです。 ■あまりの暑さに体調不良になる選手も 先述したように、サウジの屋外は、日本をはるかに上回る酷暑です。そしてeスポーツW杯はほとんど屋内で競技が行なわれるとはいえ、選手たちは施設間を移動するときは外に出ないといけません。 どのゲームも予選トーナメントは日の高い午前中から夕方にかけて行なわれており、選手や関係者が会場アリーナまで灼熱の道を屋根付きのカートで運ばれていく様子を目にしました。 選手は大変です。遠方から来た疲れはもちろん、施設内外の寒暖差で体調不良になったり、乾燥によりプレイする際の"指のタッチ"の感覚が、いつもと違うことに戸惑ったりと、いろんな苦労があるようです。 とはいえ、予選は気温の高いお昼の時間に行なわれますが、決勝戦などの上位入賞に関わる試合の多くは、日が沈んで気温も下がり、客足も多くなるタイミングに実施されることが多いようです。 ■サウジにも根づいていた「ストリーマー」文化 選手だけではなく、観客も世界各国から駆けつけています。例えば『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL*1)の試合では、韓国の著名なプロチーム「T1(ティーワン)」のエースであり、同ゲームの史上最強プレイヤーとも評されるFaker(フェイカー)選手が登場し、韓国人のファンが応援していました。彼は韓国では圧倒的な知名度を誇るそうです。日本でいうところの、"大谷翔平並み"といえばその影響力がわかるでしょうか。 (*1)米「ライアットゲームズ」社が開発した基本プレイ無料のオンラインゲーム。世界で最もプレイヤー数が多いPCゲームで、現在も約1億人以上のアクティブプレイヤーがいるとされている Faker選手は自国以外にもファンが多く、あるサウジ人の女性は、「あのFakerが目の前でプレイしてこっちに手を振ってくれてボードにサインまでしてくれたの!」と興奮気味に話していました。 ほかにもサウジのスター選手が活躍するたびに、応援合唱が起こるなど、どのゲームの試合も熱気に満ちていて、現地観戦ならではの醍醐味がありました。 ただ、eスポーツW杯は試合観戦だけが魅力的なのではありません。各企業が提供するパビリオンも行ってみる価値ありなのです。