小中学校での不登校、1年で4.7万人増...理由に「やる気出ない」背景は?生徒が抱える苦悩とは
先月末、文部科学省が全国の小中学校での不登校の人数を発表した。昨年度は約34万6482人と過去最多であることが判明し、11年連続で増加となった。その要因について文科省は、不登校に対する理解が広まり、無理に登校させなくていいと考える保護者が増えていることなどをあげている。 【映像】「娘にはスマホを持たせなかった」子育てを振り返る安藤美姫 調査では、教員が把握した事実として、不登校の児童生徒の3割以上から「学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった」という。これにネットでは「学校ってやる気がなければいかなくていいの?」「甘えでしょ。子ども自身と親でなんとかしなさいよ」といった厳しい意見もあった。 この調査結果に声をあげたのが、不登校ジャーナリストの石井しこう氏。 「『やる気が出ないから学校に行かない(行けない)』と、単一的にとらえるだけでは問題の本質にたどり着けないと思います」(「AERA with Kids+」から) 不登校の子どもが抱える、やる気が出ない背景にあるものとは。『ABEMA Prime』で考えた。
■不登校の増加は「生きづらさの低年齢化」
不登校の小中学生が近年増加している理由について、石井氏は「学校に行きたくない時に子どもが体調不良を訴えたり、苦しんでいる。そういう様子を見て、やめとこうみたいな、少し不登校に寛容なムードが広がった」。 また、「生きづらさの低年齢化」もあるという。石井氏は「いじめも低年齢化している。今、いじめで一番多い学年というのが小学校2年生だ。前は中1だったが、小2からピークがきている。トップ3は小1、2、3だ」と述べ、低学年で人間関係に悩み、トラウマを抱えた子どもがその後不登校になるケースがあると指摘した。 小中学校でスクールカウンセラーも務める、新潟青陵大学教授の碓井真史氏は「生きづらさの低年齢化」に賛同し、「不登校が低年齢化していて、中学生の不登校はこの10年で2倍だが、小学生は5倍増えている」と説明。「中学校は、この20年の中で、不登校対策をしているが、小学校が立ち遅れている。その増加分が大きいかと思う」と分析した。