お得意様のボールをティーアップ… グリーンではピンを抜いてボール拭き… “昭和”な「接待ゴルフ」は絶滅したのか?
「プレーヤー全員がフェアな立場」がゴルフの基本
しかし、普段は「上司や大切なお得意様」という関係がある以上どうしても気を遣ってしまいがちですが、やはり休日の息抜きであったとしても自分がへり下ったり相手の立場を高く上げたりした方が良いのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。 「日本では、バブル時代に『接待ゴルフ』が当たり前のように行われ、目上の人を『ヨイショ』しておだて上げるような風習がありました。ところが、ゴルフは目上も目下も一切関係なく、プレーヤー全員がフェアな立場となって一緒に楽しむというのが本来あるべき姿です」 「もちろん、相手をリスペクトするためにいち社会人、ゴルファーとして最低限のマナーや礼儀は重んじなければなりませんが、一度ゴルフ場に入ってしまえば肩書きはいったん取り払い、和気あいあいと同じ空間・時間を共に過ごすのが最も適しているのではないかと思います。そのため、グリーンのピンを持つ係に率先して立候補したり、上司に代わってティーアップをしたりといった接待は特に必要ないので、極度に緊張せずリラックスした状態で臨むと良いでしょう」 また、バンカーでの均し作業や目土をかける処理など、自分が作ったショットの痕跡は自らで始末しなければならないのがゴルフのマナーです。そのため、接待と言っても全てにおいて手厚いフォローやサービスをしなくても良いでしょう。 むしろ、目上の人の手助けはほどほどにして自分のプレーに集中するとともにルールやマナーを守り、自らがスロープレーの原因にならないことが一番の気遣いといえます。 「目上の人とのゴルフ」と聞くと、バブル時代の強烈なイメージから「接待をしつつ過剰なほどにヨイショしなければならない」と考える人も多いかもしれません。しかし、接待ゴルフにありがちな敬意の表し方と、ゴルフに本来あるべき敬意の表し方は全く異なります。 そのため、日ごろから親しい関係となっている上司であればいつも通りの接し方で問題はないですし、重役や取引先の人とラウンドすることになってもあまり慎重になる必要はないといっても良いのかもしれません。
ピーコックブルー