【NBA】Gリーグで奮闘するブロニー・ジェームズにJJ・レディックがエール「失敗への恐れを払拭してほしい」
Gリーグで1試合30得点を記録するなど主力級の活躍
ブロニー・ジェームズはレイカーズで低調なNBAデビューを飾った後、かかとのケガを機に傘下のGリーグチーム、サウスベイ・レイカーズにプレーの場を移した。『偉大なるレブロンの息子』として、2巡目指名のルーキーに見合わない注目とプレッシャーからは逃れられないが、それでもレイカーズに比べればGリーグの環境はずっと落ち着いている。 現地12月6日のサンディエゴ・クリッパーズ戦で16得点、11日のバレー・サンズ戦で30得点、翌12日もバレー・サンズを相手に16得点。18日のグリーンズボロ・スウォーム戦で16得点、20日のオセオラ・マジック戦で6得点7アシスト。1試合30得点を記録した試合を筆頭に、レイカーズでは『脇役』だったブロニーがチームの主力としてプレーすることで再び話題となった。 レブロンは「ただ毎日努力を重ねること。それは最後には必ず報われると伝えている」と語り、息子のGリーグでの活躍を「彼らしさを取り戻して自由にプレーしているのを見られて良かった。最初から最後までずっとアグレッシブにプレーしているのが良い」と喜んでいる。レイカーズを率いるJJ・レディックは「開幕前から我々は彼にディフェンス面でインパクトを出せる選手になれるよう求めてきたし、彼はその期待に応えようと自分を磨き上げてきた。ブロニーの活躍に興奮している」と語る。 ブロニーのプレーで最も評価されるのはピック&ロールから繰り出すオフェンスの多彩さとその質だ。自分の得意な右手でのフローターを打つチャンスを作りつつ、他の4人とディフェンスの動きを冷静に見極めながら効率の良いプレーを選択できる。またガードながらリバウンドへの意識が高いことも評価できる。 一方で課題も明確になりつつある。ピック&ロールからの展開に頼るあまり、個人での突破を出せないこと。NBAでローテーション入りするガードであれば、Gリーグのディフェンスレベルであればアイソレーションで無双できるはずだが、ピック&ロールではレブロン譲りのゲーム知性を発揮できても、1対1で父のような爆発力は見せられない。ピック&ロールに頼ることで攻めのテンポは落ち、チームオフェンスは停滞する。それは、個人能力を示して『上』に行くチャンスを狙うチームメートにとっても望むものではない。 ブロニーがNBAでプレーする価値のある選手だと示すには、Gリーグでは突き抜けたパフォーマンスを見せる必要がある。だが、焦る必要はないし、ミスは許容されるべきだ。レディックはGリーグに送り出したブロニーについて「失敗してもいいんだ」とメッセージを送る。 「私の幼い子供がバスケをやっている時にメディアに追いかけ回されるなんて想像もできないが、ブロニーにはそれが当たり前だった。失敗への恐怖が本質的に備わってしまっているように思う。我々は彼を高く評価しているが、それは彼に出す課題を完璧にこなすからだ。今はそれでいい。『試合でミスをしないように』なんて思わなくていいんだ。ブロニーが失敗への恐れを払拭できれば、文字通り飛躍の時が訪れる。彼には多くの面での成長を求めているが、その精神的な成長を一番に期待しているんだ」