大ヒット商品から珍品まで 大阪で「昭和レトロ家電展」
アイデア倒れの家電「世に出るの早すぎた」
増田さんは講演後、展示会場で取材に応え、昭和家電の魅力を次のように話した。「昭和30年代、家電の登場で日本人の生活ががらりと変わった。洗濯機で苦労することなく洗濯を済ませ、冷えたビールを飲みながらテレビでナイターの野球を観戦できるようになった。メーカーがどんな思いで商品を開発していたのか興味深いし、どの商品も愛しい」
増田さんが着目するのは、ヒット商品だけではない。アイデア倒れに終わり、あまり市場に出回ることなく姿を消した家電たちを、けなしたりしない。むしろ「世に出るのが少し早すぎた。しかし、その後の大きなヒット商品を生み出すイノベーションの礎になったのかもしれませんね」と、先進性に理解を示す。 毎日のように新商品があふれていた戦後昭和の時代。今改めて学べることがありそうだ。会期は14日まで。詳しくは「市立すまいのミュージアム」公式サイトで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)