<独自>政府・与党「年収の壁」見直しで年収2400万円超の基礎控除廃止・縮小を検討
与野党の「年収の壁」見直し協議で焦点となっている所得税の基礎控除に関し、政府・与党が高所得者を対象に廃止や縮小を検討していることが26日、複数の関係者への取材で分かった。所得税の課税最低額を現在の103万円から引き上げた場合に高所得者にも恩恵が及ぶため、基礎控除の廃止・縮小で不公平感を緩和する狙いがある。 【表でみる】控除額を178万円に引き上げた場合の年収別減税額 基礎控除は本来、最低限の生活費に課税しない目的で設定されている。所得税の基礎控除は現在、年収2400万円までは一律48万円で、年収が2400万円を超えると段階的に縮減されて2500万円超でゼロになる。 政府・与党は、このゼロになる基準額を年収2500万円超から2400万円超に引き下げたり、2400万円超からの縮減幅を大きくしたりすることを検討している。廃止・縮小で得られる税収増は限定的とみられる。 所得税の基礎控除48万円と、給与所得者の必要経費とされる給与所得控除の最低額55万円を足した103万円を年収で超えると所得税が課される。国民民主党は自民、公明の与党との政策協議で、所得税の課税最低額を103万円から178万円に引き上げるように求めている。年収の壁を巡っては、引き上げ幅だけでなく、基礎控除制度の趣旨に沿った格差の是正も論点となる。