韓国半導体の対中輸出は「針の穴」だが…政府の戦略、韓日の明暗分けた(2)
CXMTは今年から「使えるチップ」を大量に供給し、これまでサムスンとSKハイニックスが支配していた市場に食い込み始めた。サムスン電子は7-9月期の業績発表で異例にも「中国メモリー企業の旧型製品供給増加で業績が下落した」として別途の説明資料まで出した。何よりCXMTがチップを低価格で大量供給すればメモリー半導体価格が急落するだけでなく、サムスン電子とSKハイニックスのメモリー半導体を輸入してきた中国電子業界が自国のチップに変え関連市場のシェアも減ることになる。 ◇分かれる韓日半導体装備業界の明暗 半導体先端装備もHBMとともに対中制裁が適用されるが、日本とオランダを含む33カ国の装備企業は対中輸出に向け米政府の許可を受けなくても良い。これらの国は自主的に対中輸出統制措置をしているという理由だ。ロイターは「オランダと日本は今回の制裁と関連して米国と長い間緊密に協議してきた。米国の期待水準に見合う措置を独自に準備した点を認められ例外が適用された」と伝えた。この日東京証券取引所で東京エレクトロンやディスコなど主要半導体装備企業の株価は4~6%上がった。 これに対し中国に輸出する韓国の半導体装備業界関係者は「対中制裁と関連して韓国政府と特に疎通したことはない。日本企業と競争しているが今後不利になった」と話した。対外経済政策研究院(KIEP)が中国海関統計を基に分析した資料によると、昨年韓国の半導体装備輸出の44%は中国向けだった。韓国関税庁の輸出入統計によると、半導体製造装備(コード名・HS848620)の中国向け輸出額は10月15日基準で11億7256万ドルに達する。韓国半導体産業協会のチョン・ジェミン本部長は「サムスン電子とSKハイニックスの中国工場で韓国製装備を多く使う状況で米国の制裁により中国企業の設備投資が萎縮すれば韓国の半導体素材・部品・装備企業企業にも打撃が避けられない」と話した。 半導体業界では覇権競争の核心である半導体産業に対する韓国政府の外交通商戦略が見えないという指摘が出ている。嘉泉大学のキム・ヨンソク客員教授は「中国のメモリー半導体低価格攻勢は韓国の立場でも悩みの種であり、米国には大きな問題ではない点を見逃して手をこまねいていたもの。技術覇権競争の核心に浮上した半導体に対する国レベルの冷徹な悩みが必要だ」と話した。