「続々閉店」と話題のブックオフ、実は知らぬ間に「劇的な変化」を遂げていた…! 見てびっくりな「現在のブックオフの光景」
その点で、競合他社といえるTSUTAYAは、トレカ専門店をすでに都内に3店舗作っていて、トレカを通じた「コミュニティ」作りを強調している。 ブックオフについて書かれたものを読むと、そこで多く見られるのが「ブックオフという場所への愛着」だ。『ブックオフ大学ぶらぶら学部』(夏葉社・2020年)という本では、「ブックオフに救われた」さまざまな人の思い出が多く書かれている。今回の報道でも「ブックオフがなくなって寂しい」という声が紹介されているが、それだけブックオフは「場所」としての価値を持っているのだ。
特に近年は、アマゾンやメルカリの浸透により、新品であれ中古であれ、ネットを使えば楽にモノを手に入れられる時代。そんな中で「リアルな空間」はその空間ならでは価値を訴求していくことが、ビジネス的にも望ましい方向だろう。 「空間価値」をどのように深め、追求していくのか――。それが、今後のブックオフにとって、重要になるのではないだろうか。
谷頭 和希 :チェーンストア研究家・ライター