「続々閉店」と話題のブックオフ、実は知らぬ間に「劇的な変化」を遂げていた…! 見てびっくりな「現在のブックオフの光景」
ブックオフにトレカの対戦スペースだなんて。もはや「ブックオフ」と呼ぶのがふさわしいかどうかさえ、怪しくなってくる。 こうした商品種の拡大に、ブックオフの戦略が見えてくる。 ■「大型化」で「客層の拡大」をする スーパーバザーを見ていると、なるほど、と思うことがある。客層が広くなっているのだ。 ブランド品や洋服コーナーには女性がいるし、トレカコーナーは圧倒的に20~30代ぐらいの男性が多い。かと思えば、マンガコーナーでは、いつも通り中高生が立ち読みしていたりする。商品の種類が増えれば増えるほど、客層は広がる。
こうした客層を広げる試みは、その立地戦略を見てもわかる。「スーパーバザー」、東京23区では1店舗だけで、都内で見ても立川、町田、多摩永山と郊外立地である。 注目したいのは、立川・町田とも国道16号線沿線の街で、ここは流入してくるファミリー層が多いエリアということ。2023年の住民基本台帳人口移動報告を見ると、0~14歳の人口流入の上位には、町田市や八王子市、柏市や千葉市など16号線沿線の街が多くランクインしている。
つまり、郊外にいるファミリーに向けた店舗戦略を取っているわけだ。まさに客層の拡大。その意味でスーパーバザーの狙いは、とてもわかりやすい。 ■ブックオフが目指す「両利きの経営」 実はブックオフ、そもそもの始まりが「ファミリー層」に向けた店を展開していた。ブックオフの始まりは相模原で、その周辺には都会に通うサラリーマン層の家族が多く移り住んでいて、彼らに向けたビジネスだったのだ。 元々「古本屋」といえば、ちょっと薄暗くて本が高く積んであって……というイメージだったが、ブックオフは店内の照明を明るくし、本も見やすいように整然と並べ、それによってこれまで来ることのなかった女性層やヤング層にも支持されていく。
その意味では、ブックオフはいつの時代も「客層の拡大」を行ってきたのである。ある意味、「スーパーバザー」への転換は新規事業でもあり、ブックオフの理念を踏襲するものでもある。 その意味で事業の「深化」と「探索」の両軸が行われているといってもよい。この言葉は「両利きの経営」という経営概念の中で提唱されている言葉で、ある企業の経営戦略が伸びていくためには、既存事業の「深化」と新規事業の「探索」の両軸が必要だと述べたものだ。