「古い芸能界を重ね合わせることはもう通用しない時代」田村淳さん
ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんは、YouTubeや学業、会社経営など芸人の枠を超えて幅広い活動を行っています。多くの芸能人が新たな活躍の場を求め、所属事務所を退所するケースが増えているいま、田村淳さんがこの変化にどんな考えを持っているのか、さらに所属する吉本興業と自身の活動について伺いました。(Yahoo!ニュースVoice編集部)
――多忙の中、幅広い活動を行う理由は? 田村淳さん: 僕は自分の人生において、自分やりたいと思ったことを極力やって死にたくて、興味関心を持ったことはできる限りやりたい人間なんですよね。そんな中でSNSというものがそれを可能にしてくれている。 “芸能界”という狭い世界だけにいたら、きっと自分の中には芽生えなかった考え方にSNSで触れられるので、そこはものすごく大事にしている場所です。
吉本興業のいいところ
人気芸人のオリエンタルラジオが2020年12月に吉本興業を退所。そのことについて田村淳さんは自身のYouTubeチャンネルで「応援している」と言い、さらに「吉本興業のいい部分を知らなかったら、自分も辞めていたかも」とコメントしました。 ――吉本興業のいい部分とは? 田村淳さん: 吉本興業は100年企業で、昔からお笑いに特化して事業展開してきたんですけど、ここ10~20年の間にお笑い以外の事業もたくさんするようになって、お笑い以外もやれる会社になり始めてます。実は多種多様な人間が入り込んできている企業なのに、どうしてもお笑いのイメージを払拭できていないことが、吉本興業の強さでもあり弱さでもあると思ってます。 これまでは事務所がある程度タレントを従えている構図のほうがお互いやりやすかったんです。「吉本興業はギャラが安い」と言えばその場はなごむし、タレントがそうやって言って活躍するんだったらギャラ安いと言われても容認していたのが今までの吉本だった。でも「ギャラを可視化しろ」と言って、ふたを開けて可視化してみたら「あれ、意外ともらってるな」と気づけました。 僕の多岐にわたる活動について、吉本興業には一銭にもならない僕の学業や、オンラインサロンのことだったりを、スケジュールをきったり、背中を押してくれています。それは若手芸人はできないかもしれないです。僕は吉本興業に27年間所属して関係を築いていく中で、「淳にはこれくらい自由にやらせよう、タレント業はこれぐらいやってもらおう」という話し合いをしている。僕は諾成契約、口約束なんですけど。「口約束が嫌だ」と言ってあの時立ち上がったんですけど、結局口約束が一番いいじゃないかと、いまのところ落ち着いているので、いろいろやらせてくれる会社だなというのは気づけました。