「ディオール」の名香“ミス ディオール”展覧会リポート 貴重な初代作から日本初公開ドレスまで
日本初公開のプレタポルテの“ミスディオール” 1967年9月、「ディオール」は初のプレタポルテコレクションを“ミス ディオール”と銘打って発表した。マルク・ボアン(Marc Bohan)による“ミスディオール”は、女性たちの日常をエレガントに装うことをコンセプトに、フレッシュで若々しく日常に取り入れやすいスタイルを提案した。世界規模で展開し、「多様なスタイルで普遍的な女性らしさを称賛する、世界に開かれた先見的なメゾンの創設」というムッシュ・ディオールのビジョンを継承した。
和紙の海に浮かぶドレスと限定フレグランス
クチュリエになる前にはギャラリーオーナーを務めていたムッシュ・ディオール。コンテンポラリーアーティストの作品を扱い、ジャン・コクトー(Jean Cocteau)やマックス・ジャコブ(Max Jacob)ら芸術家や詩人とも親交があった。ファブリックの上に和紙を重ね日本をイメージしたエリアには、オランダ人デザイナーのサビーヌ・マルセリス(Sabine Marcelis)やビジュアルアーティストの荒神明香、日本戦後第3世代の代表的なアーティスト、江上越の作品をクチュールドレスと共に展示する。
ディオールの愛犬ボビーとたわむれる
ムッシュ・ディオールはオートクチュールコレクションで毎回、デザインの1つに愛犬ボビーの名前を付けていた。1952年のクリスマスコレクションでは、愛犬ボビーへのオマージュとして限定ボトル“J'appar tiens a Miss Dior(ご主人さまはミス ディオール)”を発表。最後のホールにはボビーを模したボトルの大きなオブジェを設置した。
ブティックや「ピエール エルメ」コラボカフェも 会場内ではフレグランスや書籍を販売する。新作の“ミス ディオール パルファン”やスティック状練り香水“ミスディオール ブルーミング ブーケ ミニ ミス”(7810円)などの人気フレグランスに加え、メイクアップやスキンケアも取り扱う。「ピエール・エルメ(PIERRE HERME)」とのコラボレーションカフェでは、“ミス ディオール”の世界観を表現したオリジナル マカロンや、花々や香りを彷彿とさせるシグネチャーデザートプレートを用意し、展覧会の後の余韻を楽しめる。