（右から届け出順に）古川禎久候補、新村初代候補

　27日に投開票される衆院選で、宮崎県内3選挙区には9人が立候補して論戦を繰り広げている。宮崎3区の各候補者の政治への思いなどを紹介する。（届け出順） 【写真】演説をする安倍昭恵さん

古川禎久候補（59）自民　前

　環境政務官、財務副大臣などを歴任し、岸田政権で法相。幅広い分野で国政の中枢に携わってきた。抜群の知名度を誇るが、自民党派閥の政治資金問題などに厳しい目が向けられる中、「厳しい選挙になる」と気を引き締める。

　「政治に対する国民の信頼を取り戻す」を最重要課題に位置づける。「バブル崩壊などからコストカット型経済に陥ったが、ようやく成長型経済に移行しつつある。産業力や技術力を本格的に再生させる」と経済成長などに意気込みをみせる。

　8期目を目指す今選挙。支持者から「さらに上（総理総裁）を」との声も上がる。「政治家として、政権を正しく運用して、正しいと信じることを実行したい」と志は高い。

　政治家を目指す原点は小学生の頃。「祖父から『代議士になって、西郷（隆盛）さんのように若い人をどんどん引き上げていけ』と言われていた」と振り返る。ジャンルを問わず音楽好きで、特に歌手・矢沢永吉さんの「政界一のファン」を自負する。

新村初代候補（77）共産　新

　立候補表明は公示の約3週間前。8選を目指す自民前議員との与野党一騎打ちの構図をつくった。「（3区が）無風状態ではだめだ。政治に対する不満不平が渦巻いており、そういう声を拾い上げたい」と語る。

　家庭科教諭として県内の高校などで約37年間勤めた。授業では男性も女性も自立した生活ができるよう、知識や技術を身につける指導に注力してきた。「選択的夫婦別姓などは在職当時から『みんなが卒業する頃には実現するよ』と話してきた。しかしいまだに実現していない」と指摘する。

　入党後、新日本婦人の会に加入。子どもの医療費無料化、生理用品のトイレへの配置などに取り組んできた。「私たちが声を上げれば政治は変えられる」

　政治の世界への初挑戦となる今回、長女から「今までの取り組みをいっぱい訴えて」と背中を押され、勇気をもらった。趣味はパッチワークと絵手紙。高校卒業時にはアルバムに困難なことにくじけないことを意味する「不撓不屈」と書き込んだ。「でも最近は柔軟に対応しますよ」とほほえむ。