佐々木朗希に獲得調査20球団以上 代理人ウルフ氏初めて語った ドジャース正式参戦表明「最優先事項」猛アピール
【ダラス(米テキサス州)10日(日本時間11日)=山田結軌、竹濱江利子通信員】米大リーグの球団幹部や代理人らが一堂に会するウインターミーティング(WM)の2日目。プロ野球ロッテからポスティングシステムでメジャー移籍を目指す佐々木朗希投手(23)の代理人を務めるジョエル・ウルフ氏(54)が初めてメディアに対応した。獲得調査のため、問い合わせのあった球団数を「20球団以上」と明かした。大谷翔平投手(30)が在籍するドジャースのアンドルー・フリードマン編成本部長(48)は獲得を目指すことを明言した。 【写真】佐々木朗が完全試合を達成した直後のロッカー室の様子 ざわつく空気が漂う中、100人以上のメディアが集結した。WMのメディアワークルーム兼会見場。佐々木の代理人を務める大手代理人事務所ワッサーマンのウルフ氏が姿を見せると幾重にも人が取り囲んだ。便宜上、米メディアから会見用ステージに上がることを促されると「これは私のスタイルではないんだけれど…」と困惑しながら、マイクを手に取った。 「来週からチームと会うスケジュールを組む」 交渉は10日(日本時間11日)に解禁された。具体的な場所や日付は明かさなかったが、佐々木は獲得希望球団に対して、来週から〝1次審査〟を行うことを明かした。クリスマス休暇前に一時帰国し、年明けに再渡米して最終候補に残した球団と再び面談し、施設や都市の視察を予定している。 佐々木は「25歳未満のドラフト対象外の外国人選手」とみなされ、ルール上、マイナー契約しか結べない。契約金額は各球団に割り当てられる国際資金の範囲内に限られる。そのため、資金力の豊富な球団だけではなく、条件面では全球団に獲得のチャンスがある。そのため、ウルフ氏に接触のあった球団数に人気ぶりが表れた。 「30球団ではないが、20球団以上だ」 注目が高まる中、米メディアで移籍先の最有力候補に挙げられているドジャースは、編成トップのフリードマン編成本部長が初めて争奪戦に参戦表明。「ずっと追いかけてきた選手。彼は明らかに最優先事項であり、できる限りのことをする。われわれは彼が世界一のピッチャーになることができると信じている」と気合十分のコメントでラブコールを送った。さらに「選手育成に重点を置いている。23歳でも33歳でも関係ない。その信念と重要性を信じている(と伝える)。全てまとめてどんな球団か、チームに加入した際にはどんな機会があるかを表現したい」と猛アピールの準備を進めている。 ウルフ氏は、佐々木は移籍先について西海岸など「地区の希望など伝えられたことは一度もない」と明言。しかし、ロサンゼルスが日本選手にとって生活環境や温暖な気候で有利に働くことは間違いない。交渉に同席するかどうかは未定ながら、大谷と山本ら昨春のワールド・ベースボール・クラシックでチームメートだった尊敬すべき先輩の存在と、今季のワールドシリーズ制覇の実績など魅力的な要素は十分だ。