石川真生に第43回土門拳賞。受賞対象は「石川真生 私に何ができるか」展(東京オペラシティ アートギャラリー)
沖縄を拠点に活動、芸術選奨文部科学大臣賞に続く栄誉
第43回土門拳賞が写真家の石川真生に決まった。主催する毎日新聞社が3月21日に発表した。受賞対象は、東京・初台の東京オペラシティ アートギャラリーで開催された写真展「石川真生 私に何ができるか」。石川にはブロンズ像と賞金が贈られ、作品は山形県酒田市の土門拳記念館に永久保存される。 石川は1953年に沖縄県大宜味村に生まれ、WORKSHOP写真学校東松照明教室で写真を学んだ。生まれ故郷の沖縄を拠点に、1970年代から沖縄で生きる人々に密着した写真を一貫して撮影してきた。作品は、沖縄県立博物館・美術館、東京都写真美術館、アメリカのメトロポリタン美術館など国内外で収蔵されている。 東京で初の大規模個展になった「石川真生 私に何ができるか」展は、黒人米兵が顧客のバーで働きながら同僚の女性らを撮影した初期作品から、1914年に制作を始め現在も取り組む代表的シリーズ「大琉球写真絵巻」まで約170点を展示。キュレーターは、東京オペラシティ アートギャラリーの天野太郎。土門拳賞の選考会では、石川が身を投じて状況を浮かび上がらせた圧巻の作品群と、制作を持続してきた志が高く評価された。なお、石川は令和5年度の芸術選奨文部科学大臣賞を受賞しており、今回はそれに続く栄誉となる。 土門拳賞は、今日の写真文化のひとつの大きな流れを作った写真家の土門拳を称え、優れた成果を挙げた写真家を毎年顕彰する目的で1981 年に制定された。第43回の選考委員は、大石芳野(写真家)、石川直樹(写真家)、梯久美子(作家)、北島敬三(写真家)、砂間裕之(毎日新聞社執行役員)の5人。石川の受賞記念写真展は、ニコンプラザ東京 THE GALLERY(4月30日~5月14日、5月3~6日休館)、ニコンプラザ大阪 THE GALLERY(5月23日~6月5日)、土門拳記念館(10月26日~2025年1月19日)で開催される。
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