“香る”百貨店、新たな成長の原動力に 体験価値を磨き上顧客との関係も深化【25年百貨店化粧品展望】
自社スタッフによる化粧品選びのアドバイスを例にとると、伊勢丹新宿本店では年間の購入額が100万円以上のカード会員限定のサービスとして運用している。一方で大丸松坂屋グループは、ビューティ情報サイト「デパコ」を通じてブランド横断型の無料オンラインカウンセリングを行っている。ターゲットを完全に富裕層にシフトした感のある三越伊勢丹と、オンラインカウンセリングによって来店のハードルを下げようとする大丸松坂屋の取り組みに、個々のスタンスが見える。百貨店には自店のフロアを「売れるブランド」の集積にするだけではなく、どんなサービスや体験が求められているのかを捉え、ブランドとともに施策をつくる視点をもってほしい。