波紋呼ぶソフトバンクの大量戦力外と大型補強 「愛される球団」には「生え抜き」の尊重が必要
ソフトバンクの大量戦力外が大きな反響を呼んでいる。 日本シリーズ第6戦でDeNAに敗れ、4年ぶりの日本一を逃した翌日の11月4日。ソフトバンクは21年ドラフト1位の風間球打や笠谷俊介、田上奏大、中村亮太、三浦瑞樹、仲田慶介、川原田純平の7選手に来季の戦力外を通告した。すでに10月7日に9選手、同月28日に7選手に戦力外を通告しており、今オフは育成選手を含めて計23人が来季の構想外となっている。支配下だった選手の多くには、育成で再契約の打診もあるとみられる。 【写真】ソフトバンクで1軍経験ゼロだが、他球団移籍でブレークしたのはこの選手 球団の通告に納得できる選手がいれば、頭の整理がつかない選手もいる。悔し涙を流したのが仲田だ。福岡大から21年育成ドラフト14位で入団すると、持ち味の打撃でアピールして今年の開幕前に支配下登録を勝ち取った。1軍で24試合出場し、14打数3安打で打率.214、0本塁打。ファームでは打率.403と好結果を残したが、現実は厳しい。報道によると、球団から提示された育成での再契約を保留して他球団からのオファーを待つ考えを明かしたという。 三浦もまた、仲田と同様に育成再契約の提示を保留し、他球団のオファーを待つ可能性を示唆した。東北福祉大から12年育成ドラフト4位で入団した左腕の三浦は、プロ3年目の今年7月に支配下登録を勝ち取り、1軍で5試合に登板して防御率0.00。ウエスタン・リーグでは15試合登板して防御率1.60で最優秀防御率も獲得した。戦力外という通告に、納得できない思いはあるだろう。 ■球団関係者は「他の球団とは事情が違う」 ソフトバンクの球団関係者は複雑な表情を浮かべる。 「故障のリハビリなどを含めて支配下から育成契約に切り替わる事情は様々です。もちろん、すべての選手が納得するのは難しい。ただ、他の球団とは事情が違うことも理解してほしいです。12球団で唯一の4軍制度を敷き、毎年育成枠で大量の選手を獲得します。オフに退団する選手が多くなるのは仕方がないし、支配下の70人枠を巡る競争は非常に厳しい。チャンスは少なく感じるかもしれないが、突き抜けた成績を残せば夢をつかめる。メジャーの球団に近いスタイルかもしれません」