イスラエル 戦禍を生きる障害者たちの絵画、在日大使館で展示
障害を持つ人々のケアと社会的な包摂を目指すイスラエルの非営利組織「シャルバ」が26日、戦禍の中で障害者が描いた絵画を東京都内の在日イスラエル大使館で展示した。組織を代表して来日したエリ・メンデルバウムさん(46)は「厳しい状況下でも、彼らがさまざまな感情を豊かに表現していることを感じてほしい」と語った。 【写真・地図まとめ】 イラン・イスラエルの対立 「シャルバ」とはヘブライ語で「静寂」「安寧」の意味。1990年にエルサレムに施設を設け、障害を持つ人々やその家族に心理セラピーや就業訓練、自立のための支援などを提供している。 イスラエルでは、昨年10月にパレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスの越境攻撃を受けて以降、ガザを巡る戦闘と同時に、北隣のレバノン南部を拠点とするイスラム教シーア派組織ヒズボラとの戦闘も続いた。イランとの空爆の応酬も起きている。 こうした中、イスラエル国内各地から多くの障害者らがシャルバの施設へ避難のために身を寄せているという。 知的障害者などは、感情をうまく言葉にできないことも少なくない。メンデルバウムさんは「ロケット弾が飛び交うような状況が続く中、彼らはその経験や感情を絵画を通じて見事に表現しています」と強調。「どれも愛らしく、カラフルで、自分の子どもにこれほど絵画の才能があったのか、と驚く親もいます」と語った。 シャルバは国連の活動に参加する公式な資格が認められた組織。メンデルバウムさんによると、同様の展示会を英国やカナダ、香港や韓国などでも開催しているという。【大治朋子】