【試乗】「CP2」のスポーティな走りを舗装路で味わい尽くすなら、YZF-R7推し!
前輪の接地感が分かりやすく、マシンコントロールが楽しい
YZF-R7の全長/ホイールベースは2070mm/1395mmで、YZF-R125は2030mm/1325mm、YZF-R15は1990mm/1325mm、YZF-R25は2090mm/1380mmと、全長はR125とR25の間に収まっている。車重はベースとなったMT-07の184kgに対して、カウルを装着した分4kg増えた188kgだが、これはXSR700と同一。YZF-R7はミドルクラスのスーパースポーツとして、軽量コンパクトにまとまっていると言えるだろう。また、フロントサスのキャスター角をMT-07より1.1度立てて前輪分担荷重を増やし、コーナリング時の安定感を向上しつつ、直進安定性も確保しているという。 実際に跨ってみるとハンドル幅はややタイトに感じるが、ハンドルグリップ位置が遠すぎず、シートの前後長にも余裕があってライディングポジションの自由度が高い。ハンドルグリップを握って、両腕が力み過ぎない位置に着座すると、軽い前傾姿勢となった。筆者は個人的にオフロードモデルを乗り続けてきたが、それでもYZF-R7の前傾姿勢がきついとは感じなかった。むしろ、自然とフロント荷重できるライディングポジションが決まり、前輪のグリップ感が分かりやすくなる安心感が好印象だった。ハンドリングも市街地での左折といった極低速域でも切れ込みすぎたり、逆に立ちが強くて粘るといったこともなかった。速度を上げていっても前輪の接地感は分かりやすく、高い直進安定性を発揮し、それでいてライダーの操作に対して車体がスムーズに反応するので、中高速域でのコーナリングではマシンとの一体感が感じられた。 こうしたマシンコントロールのしやすさは、前後サスの作動性と衝撃吸収性のよさも大きく寄与している。低速域からスムーズにストロークするので、コーナー進入時などのブレーキングでフロントサスがスッと入り、しっかりとフロントに荷重がかかる。けれども不必要に入りすぎず踏ん張ってくれるので、狙ったラインでコーナリングしていける安心感を得られたからだ。