地震発生10時間後に元気な産声…『井戸水』で医療機能維持した七尾の病院 過去の大災害教訓に“水の備え”
能登半島地震の発生から1カ月以上が経つが、被災地では断水が続いている。断水で手術が出来なくなる病院もあったが、全ての医療行為を続けることができた病院では地震発生10時間後に無事、産声も上がった。この病院では過去の災害を教訓に井戸水を使えるように対策を進めていた。 【動画で見る】地震発生10時間後に元気な産声…『井戸水』で医療機能維持した七尾の病院 過去の大災害教訓に“水の備え”
■続く水不足…強固なはずの水道管も破損し遠い完全復旧
能登半島地震から1カ月以上がたったが、現在も安否不明者の捜索活動が続けられている。
被害が大きかった石川県の能登地方では「断水」が広い範囲で長引いていて、いまだに多くの人が苦しんでいる。 給水を貰いに来た人: 「皆さん『毎日のように』って言っていますね。(水道は)一滴も出ないね」
震度6強が観測された七尾市では、一日でも早く水を供給するために復旧作業が進められているが、完全復旧まではまだまだ時間がかかるという。
派遣された名古屋市上下水道局の職員も、被害の甚大さを痛感していた。 名古屋市上下水道局の職員: 「大きなタンク所に浄水場の水が一時的にためられまして、そこから市内の方に流れていく。市内の方に通すルートの一部なんですけど、ここから水がもれているのが確認されまして、掘り返したところ、水道管が破綻しているような状況になってまして」 本来まっすぐの水道管が、地震によって変形していた。
強固なはずの浄水場近くの配管も破損し、水が供給できずにいた。
■災害拠点病院ですら数日間手術できない事態も…事態深刻な病院
給水車などでなんとか「生活の水」は繋ぎとめているが、より深刻な状況にあるのが「病院」だ。108の病床を抱える精神科・七尾松原病院は、毎日30~40トンもの水を派遣される給水車から確保している。
七尾松原病院の職員: 「トイレができない、厨房で水が出ないので調理ができない、という状況が続きまして。各職員大変な思いで今、患者さんの対応をしている」 しかし、通常時に比べると20トンほど水が足りず、シャワーや調理が一部利用できない状況となった。制限される生活は、患者の精神状態に影響しかねないと心配している。