竹田麗央と山下美夢有。毎試合現場にいるプロが彼女たちの相似点、相違点を語った【勝者のスウィング・番外編】
フェードヒッターの竹田選手は、ヘッドをアウトサイドかつアップライトにテークバックし、下半身を使って回転力を最大限に利用しています。ドライバーが不調に陥ると「ラフが深く曲がるのを恐れて振れていなかった」と、しっかり振り切ることを意識することで復調させます。 朝の練習のスタートはウェッジを使ったスローモーションで振って15ヤードほど飛ばす練習から始めています。動き出しの順番を確認しながらバランスを整える練習法も、スウィングが複雑ではなく、とてもシンプルなのでできることでしょう。
ドローヒッターの山下選手は身長が高くないこともあり、特に長いクラブでスウィングプレーンはフラットになりやすく、スウィングプレーンがフラットになればなるほどインサイド軌道の角度は強くなりますので、ドローのほうが打ちやすくなります。その特性を生かしているのが山下であり古江彩佳選手もそうです。 山下選手は、フェースをシャットに使いながら手元を体の正面から外さないようにすることで、振り遅れがなく安定した曲がり幅のドローボールをコントロールしています。この手元が体の正面から外れないことこそ、シンプルなスウィングにつながることを山下選手は教えてくれています。 コーチを務める父・勝臣さんがトップでの間、右ひざが出るタイミングなどをアドバイスしている光景を目にしていましたが、余計なことはせずに小さい頃から培ってきたスウィングに磨きをかけてきたことで年間を通して安定したスウィングを作ることができているのでしょう。 竹田選手は兄と弟を持つ3兄妹で育ち、小さい頃から一緒に野球をしてきたこともあり、投げる、打つ、走ることで培った体力は大きなアドバンテージになっていますが、その体力があってこその4日間の集中力につながっていると思います。
山下選手も150センチの体ではありますが、水の入ったポリタンクを持ったスクワットで下半身を強化した話は有名ですが、19年のプロテスト合格当時とは比べ物にならないくらい体の線は太くたくましくなっています。故障やケガの防止、スウィングの安定性や年間を通して戦う体力や集中力にトレーニングは不可欠なことは当たり前になっていますが、現在でもしっかりと取り組んでいることは、二人に共通する点です。