前日練習に臨んだ姫野（右）。打倒ニュージーランドの核となる（撮影・福島範和）

ラグビー日本代表（世界ランキング14位）は26日、「リポビタンDチャレンジカップ2024」でニュージーランド代表（同3位）と対戦する。25日は会場の日産スタジアムで調整した。6月に肘の手術を受けたFL姫野和樹（30）＝トヨタ＝は昨秋のW杯以来、1年ぶりの代表戦出場。代名詞の「ジャッカル」（倒れた相手からボールを奪う）を決め、過去7戦全敗の難敵から勝利をつかむ。 6月に肘の手術を受け、代表活動を辞退していたFL姫野が帰ってきた。復帰の舞台は2017年11月のオーストラリア戦で代表デビューを飾った日産スタジアム。昨秋のW杯フランス大会・アルゼンチン戦以来の代表戦へ、気合は十分だ。 「ラグビー人生の半分を来て、今からまたスタート。ファーストキャップを得たスタジアムに戻ってきてプレーするのは感慨深い。相手はオールブラックス。すごくエキサイティングしている」 前日練習で報道陣に公開された15分間は、攻守の連係などを確かめた。 日本はニュージーランドに過去7戦全敗。100失点以上など大敗を繰り返してきた。しかし近年は差を詰め、22年10月の対戦（国立）は31－38で敗れたものの、後半39分まで4点差の熱戦を演じた。 7番を背負う姫野は「多くの仕事を求められる。運動量や『ジャッカル』も期待されている。そこも自分のストロングポイントとしてあるので、120％グラウンドで出すだけ」と誓った。19年W杯日本大会では、当時世界2位のアイルランドや強豪のスコットランドを相手に「ジャッカル」を決め、日本を勝利、そしてW杯初の8強へ導いた。代名詞となったジャッカルから、ジャイアントキリングの再現をもくろむ。 チケットはすでに約5万5000枚が売れた。21年シーズンはスーパーラグビーのハイランダーズ（NZ）に加入し、新人賞に選ばれた姫野。両国に縁のある男が、秋の横浜で日本に歓喜をもたらす。（石井文敏）