アメフト・品川CCブルザイズ「動き続けることで、グレーター品川のヒーローに近付けるはず」
~アメフト人気が下がっているからこそ「地域」が重要
「地域との関係性が何より重要」という思いが岸原GMの中でブレることはない。ブルザイズが飛躍を遂げるためのキーがそこにあると信じている。 「世の中には様々なエンタメが増えていますし、スポーツでも多くの選択肢があります。アメフトは好きな人以外は関心を持たれない競技になっているので、アプローチ方法を考える必要があります」 先日のアメフトU-20世界選手権で日本代表が米国代表に勝利を収めた(6月26日、スコア『41-20』)。大快挙だったが、メディアでもほとんと取り上げられないというのが現実だ。 「身近な繋がりやコミュニティが大事。広告やSNSを通じて情報発信することは大事だが、それだけでは興味を持つ人は少ない。空中戦としてSNSの情報発信は行いつつ、地上戦で自分の周りの人たちに直接接していくことを大事にする。その積み重ねでブルザイズの知名度や組織力も高まるはずです」 岸原GMは新規スポンサー獲得のため、手書きのレターを各方面に送っているという。「昭和時代の営業です」と笑うが覚悟を感じさせる。 「宛先だけではありますが、早朝に数日かけて行いました。スポーツにお金を出すというのは、合理的部分を超えた共感とか、男気が大きいと思います。手書きの方が目にも止まるし思いや気持ちが伝わるかな、と」
「勝ち負け」というフィールド上の結果に繋がるまでは時間が必要かもしれない。しかしグレーター品川における地道な活動は間違いなく浸透している。 「『グレーター品川のヒーロー』というはチーム創設以来、初めて変更した掲げたスローガンです。自分たちの目指す姿を明確に表現しています。少しでも近付けるよう、まずは秋のシーズンに備えます」(岸原GM) 「ヒーローと感じてもらえるかはわかりませんが、ファミリーにはなれるはず。選手、ファンが一体となって進んでいけば何かが起こるはずです」(森下主将)
今の時代に「ヒーロー」という言葉は、かなり青クサくて陳腐にすら感じてしまう。しかし、バーチャル主流の世の中にリアルなヒーローが現れたとしたら、多くの人の共感を得るのではないだろうか。 品川CC ブルザイズの「グレーター品川のヒーロー」を目指す道は始まったばかりだが、今後に何かを期待させてくれる。まずは9月7日に開幕する今秋のXリーグ公式戦に注目してみたい。 (取材/文/写真・山岡則夫、取材協力・品川CCブルザイズ、港南振興会)