さらば森田、河合郁人も太鼓判! 元Hanjiroスタッフが手掛ける古着の聖地"レトロブティックことり "
しかし、この時期に『レトロブティックことり』開店に向けた本格的な準備をスタート。わずか1年という短期間で、念願の自身の店をオープンすることとなる。
「僕は本当に運が良かったと思います。 ハンジローの閉店に伴い、必要な什器や備品を入手できたことに加え、『レトロブティックことり』の出店場所も祖母が所有する物件を借りることができました。そのおかげで、想定していた以上のスピードでオープンにこぎつけることができたんです。
最初の店舗は現在の店舗の現在地から1キロほど離れた場所でした。長年空き家だったため、お小遣い程度の家賃で借りることができたのも幸運でしたね。
商品に関しては、僕がずっとコツコツ集めてきたコレクションの古着があったので、オープン当初はお店の商品の半分以上はその私物を売っていたんです」
お客さんと共に作り上げた『レトロブティックことり』
こうして2013年11月29日(いい服の日)に、『レトロブティックことり』は満を持してオープンした。 当初の場所で6年ほど営業した後、家庭の事情により2019年に現在の場所へと移転することになる。移転先となった物件は、常連客が見つけてくれたという。 昭和レトロな雰囲気漂う外観と、高山さんの趣味とハンジローの什器が見事に調和した内装が特徴的な店内。その内装のDIYも常連客たちが手伝ってくれたというエピソードからは、高山さんと顧客との深い信頼関係が垣間見える。 高山さんはハンジロー時代に培ったDIY技術を持っているが、店舗の内装となるとそれなりの時間を要する。自身の趣味を全面に出した店内の完成までには、予想以上の時間がかかったという。
「内装は1週間程度で完成すると見込んでいたのですが、実際には1ヶ月半ほどかかりました。作業を始めると『あれもこれも』とアイディアが次々と浮かんできて、どんどん工程が増えていってしまったんです。 DIYに関しては、お客さんたちが無償で手伝ってくれたことが本当に大きかったですね。特に、大工仕事から電気、水道工事まで何でもこなせる常連のお客さんがいて、専門的な部分は全面的に助けていただきました。 『レトロブティックことり』は、多くの方々の協力があって完成した店舗だと感じています。まさに、みんなで作り上げた空間なんです」 そんな高山さんの長年の古着の知識や、DIY技術もしっかりと若手に受け継がれている。