勉学も子育ても学びの日々ーー東MAX、53歳の大学生生活で気づいた「日々の幸せの形」 #人生100年 #令和のカネ
お笑いタレントの東貴博(53)は、2021年に駒澤大学法学部政治学科に社会人特別入試で合格し、現在は大学3年生である。順風満帆な芸能生活を送っていたように見える彼が大学進学を決意したのはなぜなのか。そして、そこで何を学んできたのか。(取材・文:ラリー遠田/撮影:殿村誠士/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
コロナ禍で大学生になることを選択
「もともと18歳のときに大学受験に失敗して、浪人生をやっていたの。そのときにいきなり親父(コメディアンの東八郎氏)が亡くなったので、欽ちゃん(萩本欽一)の弟子になって、芸能界に行っちゃった。だから、いつか大学に行きたいなっていう気持ちはどこかにあったんだよね」 そんな東に転機が訪れた。新型コロナウイルスの感染拡大により仕事が半分に。レギュラー番組は8本から4本になってしまった。時間ができたことで「行くなら今かな」と決断した。軽い気持ちで受験をしたところ、無事に合格することができた。 「リスキリングとか学び直しをしたいっていう人もいるみたいだけど、もともと何も学んでないからさ(笑)。これが1周目なんだよね」
最初は勉強についていけるかどうか不安もあった。だが、いざ蓋を開けてみると、大人になってからの勉強は想像以上にやりがいがあって楽しいものだった。 「政治学科では社会のことを学ぶから、自分の人生の中で起きたことをなぞっていく感じがある。こういう事件があったから選挙制度がこういうふうに変わったとか、バブルの時代には景気がどうだったのか、とか。 周りの学生はあんまりピンと来てないんだけど、自分は全部体験しているから。ああ、なるほど、あのときはこれでみんな騒いでたんだ、とか。だからすごく身になるというか、話が入ってくるんだよね。今まで使ってなかった脳が動きだした感覚があった」 東は勉強にのめり込み、同級生の中でも一番の好成績をマークした。 「俺は一番前の席で授業を受けてるんだけど、後ろを振り返ると8割は寝てるからね。いや、そりゃそうだよ。若い頃に大学に行ってたら自分も勉強してないと思うし。社会人になってからだと元を取りたいみたいな感覚もあるし、そもそも仕事と勉強の区別がない感じなんだよね。手の抜き方がわからない」