2024年度 「賃上げ実施予定率」、過去最高の 85.6% 賃上げ率の最多は 3%で「前年を上回る賃上げ」に届かず
Q4. Q2で「定期昇給」を「実施する」と回答した方に伺います。定期昇給率は2023年度と比較してどの程度を予定しますか?(小数点第一位まで)
◇「2%以上3%未満」が3社に1社 Q2で「定期昇給」を「実施する」と回答した企業のうち、1,580社から回答を得た。 最多レンジは「2%以上3%未満」の36.8%(582社)だった。次いで、「3%以上4%未満」が22.7%(359社)、「1%以上2%未満」が20.5%(325社)の順。 規模別でも、「2%以上3%未満」が大企業42.7%(124社中、53社)、中小企業36.3%(1,456社中、529社)で、それぞれ最多レンジだった。 中央値は、全企業と中小企業が2.5%、大企業は2%だった。
Q5. Q2で「ベースアップ」を「実施する」と回答した方に伺います。ベースアップ率は2023年度と比較してどの程度を予定しますか?(小数点第一位まで)
◇「3%以上」は4割 Q2で「ベースアップ」を「実施する」と回答した企業のうち、1,305社から回答を得た。 最多レンジは「2%以上3%未満」の36.0%(470社)。以下、「3%以上4%未満」が23.3%(305社)、「1%以上2%未満」が18.6%(244社)と続く。 規模別でも、「2%以上3%未満」が大企業44.3%(88社中、39社)、中小企業35.4%(1,217社中、431社)でそれぞれ最多。 2024年の春闘方針の「賃上げ分3%以上」を達成する見込みの企業は40.5%(529社)だった。 中央値はすべての規模で2.5%。 産業別では、「3%以上」のベースアップを回答した割合が最も高いのは不動産業の57.1%(28社中、16社)だった。次いで、小売業が52.9%(51社中、27社)、卸売業が45.7%(306社中、140社)、建設業が43.5%(200社中、87社)の順。 最も低いのは金融・保険業で22.2%(9社中、2社)だった。
Q6. Q1で「実施しない」と回答した方に伺います。理由は何ですか?(複数回答)
◇コストアップと先行き不安が影響 Q1で「実施しない」と回答した企業に理由を聞いた。550社から回答を得た。 最多は、「コスト増加分を十分に価格転嫁できていないため」の53.8%(296社)だった。前年同月のアンケートでは「価格転嫁できていない」の回答は58.0%で、4.2ポイント低下した。以下、「原材料価格・電気代・燃料費などが高騰しているため」が48.7%(268社)、「受注の先行きに不安があるため」が44.3%(244社)と続く。 コストアップの影響により賃上げ原資を捻出できないケースに加え、先行き不安から長期的に負担が続く賃上げをためらう企業も少なくない。 また、「今年度の賃上げが負担となっているため」は16.0%(88社)だった。 その他では、「能力評価による賃金制度導入のため」(塗料卸売業、資本金1億円未満)、「社会保険料の上昇」(受託開発ソフトウェア業、資本金1億円未満)など。 規模別では、「受注の先行き不安」が中小企業45.0%(526社中、237社)に対し大企業29.1%(24社中、7社)で15.9ポイント、「価格転嫁できていない」が中小企業54.3%(286社)に対し大企業41.6%(10社)で12.7ポイント、「既往債務の返済に影響を与えるため」が中小企業16.1%(85社)に対し大企業4.1%(1社)で12.0ポイントと、それぞれ10ポイント以上の差がついた。