「赤穂の天塩」が“にがりの塩”にこだわる理由は? 赤穂化成に聞いた【会社のギモン】
【会社のギモン】赤穂化成 年末の風物詩、赤穂藩浅野内匠頭の松の廊下刃傷事件の原因だともいわれている赤穂塩。真偽のほどは定かでないが、赤穂東浜塩田(1626年開墾)をルーツに持つ赤穂化成は400年の歴史を持つ老舗中の老舗。料理に欠かせないあの赤いパッケージの「赤穂の天塩」をはじめ、「天海のにがり」など人気商品の製造販売を行っている。 【写真】鳴門、伯方、玄界灘、五島灘…100均の「塩飴」も産地で選ぶ ■9月10日はにがりの日 また、9月10日を「くじゅう=苦汁(にがり)の日」と制定したのも赤穂化成。赤穂化成が苦汁にこだわる理由とは? 「苦汁は海水を煮詰めて塩を採った後に残る液体のことで、豆腐の凝固剤として使用されています。ここ数年は、苦汁の主成分がミネラル(マグネシウム)であることから、健康・美容のために飲み物に入れたり、料理に使われる方も増えています。『赤穂の天塩』は、世界自然遺産のオーストラリア・シャークベイの天日塩と苦汁を原料とし、播州赤穂にて差塩製法(にがりを戻す)で仕上げています。苦汁成分が含まれているので塩カド(舌を刺激する塩味)がなく、まろやかに感じます」(担当者) イオン膜でつくる食塩と違い、ほんのり甘いのが特徴。和食に合うほか、健康や美容のためにも苦汁がいいわけだ。 そして、よく耳にする海洋深層水を使った商品もある。海洋深層水は光さえ届かない水深200メートル以深の層にある海水のこと。こちらも苦汁と同じくマグネシウムやカルシウムなど多種類のミネラルを含み、清浄性、低温安定性が特徴。 「天海の水」は高知県室戸沖、水深344メートルから採水された海洋深層水を100%使用。海のミネラルバランス(マグネシウム:カルシウム:カリウム=3:1:1)を生かして塩分のみをカットした健康飲料だ。 「主に中高年の方に、健康維持やミネラル補給を目的に飲まれているロングセラー商品です」(前出の担当者) 「海水のプロ」である赤穂化成は食卓に海の恵みを届ける。