暗算だけで分かったらスゴい…!100円玉の周りを100円玉が回ると、何回転するのか…簡単に解ける「思考法」
今回の場合は…
では、今回の場合はどうなるのか。「回転する円の円周」は同じ円であれば同じ値になるはずなので、考えるべきなのは「円の中心の移動距離」です。こちらは、実は先ほどとは違う値になるのです。 図を見ても分かる通り、冒頭の問題の場合では回転する円の中心は100円玉の半径のちょうど2倍の半径の円の周りを動くことになります。100円玉の半径は11.3mmのようなので、今回の場合はその2倍の22.6mmの半径の円の円周が「移動距離」になるのです。
より分かりやすくする方法
このように、円の中心の移動距離を曲線から直線に直してみると分かりやすいかもしれません。先ほどの移動距離のちょうど2倍となり、「回転する円の円周」は変わらないため、円の回転数は2回転になるのです。
自転と公転の考え方
いかがでしたでしょうか。ここまでの説明で「分かった!」という人もいれば、「あまりピンと来なかった」という人ももちろんいるでしょう。今の説明はかなり数学的な考え方を用いているため、どうしてもイメージが湧きにくい場合があります。そんな人に向けて、ここからは少し角度を変えて、「自転」と「公転」というワードを使って説明していきましょう。 突然ですが、皆さんは地球の自転周期を知っていますか? 地球が地軸を基に自転をしているからこそ、太陽の光が届く角度が変わり、「朝」と「夜」が生まれる、ということは多くの人が知っていると思います。そのため、地球の自転周期はちょうど1日、24時間だ、と思っている人もいるでしょう。しかし、厳密に言えば少し数値は違い、実際は「23時間56分4秒(秒数以下は四捨五入)」だと計算されています。 なぜピッタリ24時間になっていないのか。ここに、地球の「公転」が関わっているのです。 地球は、太陽の周りを1年間で1回転しています。つまり、1日で約1°ほど、地球は公転をしているのです。そのため、地球が地軸を中心に1回転自転をしたのち、さらに約1°回転することで、太陽から見て同じ角度の状態に戻ってくるのです。約361°回転するのに1日かかるため、計算すると自転周期は1日よりも4分ほど短くなっているのです。 なぜ僕が急に自転と公転の話をしたのか、不思議に思っている人も多いでしょう。実は今回の100円玉の問題も、この自転と公転のように捉えることができるのです。 100円玉を2枚用意して、常に内側の100円玉に対して外側の100円玉が同じ向きになるように1回転させてみてください。そうすると、外側の100円玉は1回転だけするのではないでしょうか。 気づいた人もいるかもしれませんが、これは地球の周りを回る月の動きと全く同じなのです。 月は地球の周りを約27.3日の周期で公転していますが、それと全く同じ周期で自転も行っているため、常に地球に同じ面を向けています。「月の裏側を見ることはできない」なんて言われる所以ですね。 その月のような回転でも、1周するたびに1回転しているのです。であれば、今回の冒頭の問題のパターンであればこの「自転」分がなくなるので、さらに追加で1回転する、と考えられるのではないでしょうか。