「地方創生交付金の倍増」表明の石破首相⇒交付金に群がるコンサル&食い物にされる自治体…解決策は
片山さつき氏「だんだん『コンサルにお金を払っているな』みたいな…」
自民党が大惨敗を喫した今回の衆院選で、石破茂首相が訴えた政策の一つ「地方創生の再起動」。 【画像】面影が……石破首相の少年時代がすごい…! 地方の人口減少克服と東京一極集中の是正を目指し、政府が地方創生をスタートさせたのは’14年のことだ。石破首相は10月4日の所信表明演説で初代地方創生担当相を務めた10年前を振り返り「それまでの補助金とは一線を画する地方創生推進交付金を創設」したことを成果として誇り、地方創生交付金の倍増を打ち出した。 だが、自民党新総裁が決まった日の深夜(9月28日)に放送された討論番組『朝まで生テレビ!』で、同じく地方創生担当相を務めた片山さつき氏が地方創生に言及し、こんな発言をしていたのだ。 《地方創生交付金にいろいろメニューを作ると、自治体はメニュー以外のことはやらない。自分たちでプランを書いてと言ったら、だんだんプランが『コンサルにお金を払っているな』みたいになってきた。これを変えたいの》 国の交付金を獲得することが自治体の目的になり、申請に必要な事業計画書の策定をコンサルタントに依頼するケースは少なくない。元地方創生担当相の片山氏も認識しているようだが、地方自治体のコンサル依存の背景には何があるのか。 「都市計画の分野で言うと、1970年頃は、自治体が新しい事業を展開する場合は大学に計画づくりを発注していました。 ’00年以降になると都市再開発に関する交付金や補助金の制度がいろいろと設けられ、地方創生が始まってからは国が自治体に提出を求める書類のハードルが上がっている。行政はもちろん、大学もなかなか対応できないことから、コンサルタントに依頼する傾向が高くなってきていると思います」 そう指摘するのは都市計画学が専門で、自治体政策に詳しい奈良女子大学の中山徹教授だ。 「地方分権一括法の成立により、国は使途を定めた『ひも付き補助金』を廃止して自治体が自由に使える一括交付金にするとしたけれども、実態はそうなっていません。 地方創生の交付金はその典型で、岸田政権で衣替えして始まったデジタル田園都市国家構想交付金(デジ田交付金)は最たる例です。 自治体が地方創生の交付金を得るためには、国が用意した全国一律のマニュアルに沿って申請書を作らないといけない。ノウハウのない自治体は、申請書のパターンを知るコンサルに任せたほうが手っ取り早いわけです」 一方で地方自治体は、行政行革による職員削減で人手不足でもある。 「平成の大合併(1999年)以降、市町村の職員数は驚くほど減っています。行政内でまちづくりを立案することが、人材的にも厳しくなっていることは確かでしょう」