「強盗に狙われやすい家」には共通点がある…元警視庁捜査官が勧める「家を守る防犯対策」9選
関東を中心に「闇バイト」を実行役にした強盗事件が相次ぎ、横浜市のケースでは住人の75歳男性の命が奪われた。凶悪化、先鋭化する強盗に狙われないためにはどんな対策が必要か。元警視庁捜査官で防犯アドバイザーの松丸俊彦さんに、フリーライターの一木悠造さんが取材した――。 【写真】防犯アドバイザーの松丸俊彦さん ■強盗被害に遭わないための9つの対策 まず、強盗はどこから侵入するケースが多いのか。 横浜の事件では、玄関脇の窓が開け放たれた状態になっていた。ここのカギの部分が壊され侵入されたとみられている。松丸さんが説明する。 「トクリュウ強盗も含めて、強盗は窓を破壊して侵入するケースがもっとも多いと言われています」 「トクリュウ」とは、SNSなどのつながりで犯行に及ぶ「匿名・流動的組織犯罪グループ」のことだ。被害の多発を受け、警視庁と神奈川、埼玉、千葉の4都県警は10月、合同捜査本部を設置し、指示役や首謀者の摘発を急いでいる。 松丸さんによれば、強盗に遭わないために9つの対策が挙げられるという。 ■犯人は自分の姿が残ることを嫌う 1. インターホンをカメラ付きにする 「カメラ付きのインターホンは侵入者の姿を録画でき、泥棒や強盗犯が自身の姿が映ることを嫌がって諦める可能性があるためです。 実際に、泥棒などの侵入者は住民が留守かどうかを確認してから犯行を行うことが多く、その方法として最も多いのが『インターホンで押してみる』ことであるため、カメラ付きの機器を導入することで犯罪者に狙われるリスクを減らすことが期待できます。 仮に何者かが侵入したとしても、その姿がインターホンに映っていれば映像を証拠として利用できるため、事件の早期解決につなげることも可能です。現在、カメラが無い機器を使用している方は、ぜひ録画機能があるカメラ付きインターホンの設置を検討してみてください」
■防犯カメラは「ダミー」でも効果あり 2. 防犯カメラ(ダミーでも可)を設置する 「防犯カメラを設置するだけで『防犯対策をしっかりしている家だ』と感じさせて侵入者を牽制でき、下見の段階で候補から外れる可能性が高くなります。また、カメラ付きインターホンと同様、防犯カメラで撮影した映像は犯行の証拠になるため、事件が発生したとしても早期解決につなげられる効果もあります。 映像を記録する機能がないダミーの防犯カメラでも、見た目が本物のカメラとそっくりで、配線やLEDランプが付いている機器であれば、泥棒や強盗などの犯罪者に対して牽制する効果が期待できます。 ただし、ただ闇雲にダミーカメラを導入するだけでは牽制効果が薄いので気を付けてください。最近では、屋外にも屋内にも利用可能な小型ドームや主に屋外で利用するバレット型などさまざまな形や大きさの商品が販売されているので、すぐに偽物だと見破られないよう、設置する場所に適したダミーカメラを選ぶようにしましょう。 ダミーカメラでもLEDライトが点滅するものや配線が付いているものは実際に稼働している印象を与えやすくなります。さらに防犯ポスターや注意書きなどと一緒に設置するとダミーカメラでも防犯意識の高さを示すことができます。併せてセンサーライトなどを設置するのも効果的です」 ■狙われやすい窓の守りを強くする 3. 窓に補助錠を設置する 「補助錠とは、防犯性を高める目的で取り付ける2つ目の錠前のことです。窓についている主錠は窓ガラスを割ってしまえば窓を開けることが可能です。そのため、主錠だけの窓は侵入しやすく時間もかかりません。 補助錠を取り付けることで窓をスライドさせないと開けられなくなり、窓ガラスを割られて主錠が開けられても侵入に時間がかかります。防犯性を高めたいなら、補助錠の取り付けを検討してみてください」 4. 窓ガラス用の防犯シート 「窓に貼るフィルムで、以下に2つの特徴によって防犯性能を向上させる効果があります。 ---------- ・金属バットなどの道具を使用しても簡単に侵入できない ・大きな音が出るほどの威力で強打しないと破れない ---------- また、防犯シートを窓に貼っておくことでガラスの飛散を防げるため、破片を踏んで怪我をするリスクも防ぐことが可能です」