株式投資の最強アイテムは『会社四季報』…「予想が当たらない」人が間違っている使い方
TDnetで決算短信に目を通す
一昔前までは、個人投資家にとって決算数字は手に入れづらいものでしたが、インターネットの普及によって簡単に見ることができるようになりました。 会社四季報オンラインと同じく、インターネットで必ずチェックしたいサイトがあります。「TDnet 適時開示情報閲覧サービス」です。このサイトでは、企業の決算発表の内容をまとめた「決算短信」を確認できます。 私は毎日目を通していますが、決算短信が出たタイミングで最低でも自分が保有している銘柄に関連する情報は確認しましょう。例えば、約6割を占める3月決算期の上場企業については、5月、8月、11月、2月に本決算や四半期決算の決算短信が出てきます。そのタイミングを利用して一覧を見ているだけでも他の銘柄に目を通すことができて有益です。 また、決算短信はすべての情報に目を通すのが望ましいですが、とりあえずは業績数字がまとまっている1ページ目をしっかり確認してみましょう。 なお、各企業のホームページや証券会社が提供する情報サービスを使って数字を確認してもいいと思います。
正反対の情報を取り入れる
金融関係の情報は、どうしてもその質が偏りがちになってしまいます。 例えば、『ガイアの夜明け』(テレビ東京)で企業の成長ストーリーを見て、『Newsモーニングサテライト』(テレビ東京)で日々の最新情報を追い、日経新聞や『日経ビジネス』を読む。これらの情報源からの情報は、確かに信頼できるものでしょう。ただこれらはすべて日経新聞系になりますので、日本経済新聞社による情報から出られません。 例えば、新聞であれば、私が実践している日経新聞と東京新聞の併読といったように正反対の視点を持つ媒体に目を通す。こうした意識を持つことが大事だと思います。 ちなみに私は、「世界の謎と不思議に挑戦するスーパーミステリーマガジン」というキャッチコピーを掲げる『月刊ムー』を愛読しています。これも、株式投資の世界とは正反対の情報源です。 情報収集の原則は、「絞り込み」です。 情報を得ようとすると、つい広げることばかり考えてしまいがちです。ですが、あまりに広げすぎると何を信じたらいいかがわからなくなってしまいます。 信じるべきは、自分が描いたストーリーです。投資家は自立していなくてはいけません。例えば、SNSであればたくさんの人をフォローして情報を得ようとするのではなく、信頼できるメディアや人に絞り込みます。「SNSは発信するもの」と決めてしまってもいいくらいです。
渡部 清二(複眼経済塾 代表取締役・塾長)