株式投資の最強アイテムは『会社四季報』…「予想が当たらない」人が間違っている使い方
「四季報は当たらない」問題への結論
よく「四季報の予想は当たらない」と言う方がいらっしゃいます。それはそれで一つの見方なのかもしれませんが、私はそもそもの視点が違うのではないかと思うのです。 四季報は当たるか当たらないかで見るものではありません。 活用するかどうか、が大切なのです。 四季報が網羅している約3900社の業績を一個人が予想することは100%不可能です。 ところが四季報編集部では、120名を超える記者が全上場企業を担当して取材をしているそうです。1年間四季報を読むと、120年分の叡智が得られるのです。私の場合、27年四季報を読破し続けていますから、120名×27年=3240年分の叡智を得ている。裏を返せば、3000年分生きていると言っても過言ではないのです。 だからこそ、四季報は当たる・当たらないの視点で見るのではなく、どのように読んで、どのように活用するか。それが試されているのです。 四季報の力を100%利用するなら、紙の四季報とウェブ版の「会社四季報オンライン」を併用することを強くおすすめします。 オンラインにはこれまでの四季報の大量のアーカイブが残されています。例えば、過去の記事を見ていくことで、今では想像もつかない、トヨタが倒産危機に陥ったときやそこからの回復の過程を確かめることもできます。 さらに、ポイントは「併用」というところです。 これは、書店での買い物とネット書店での買い物に似ています。Amazonや楽天ブックスなど、ネット書店での買い物は便利です。お目当ての本をすぐに買えます。しかし、本をインターネットだけで買うのはもったいないのではないでしょうか? 実際に書店に足を運ぶと、全く知らなかった本との出会いが期待できます。 観光でも同じです。観光名所のみをスポットで回るのも効率的で楽しいものですが、電車やバスを乗り継いだり、歩いて観光名所に向かったりすることでしか得られない思い出もあります。 おすすめは、紙の四季報は毎号購読し、最新号のみ手元に置き、それ以前の号の情報はオンラインで閲覧するスタイルです。私の25年以上の「四季報読破」の経験から、これが最強のスタイルであると自信を持っておすすめできます。