ここにしかない海と農の絶景! みかん畑に囲まれた熊野古道を歩く「橘本神社~御所の芝」ハイキング
日本におけるみかん発祥の地、和歌山県海南市下津町。みかんの収穫量全国一位を誇る和歌山県内でも屈指の産地です。みかん畑に囲まれた旧熊野街道と熊野古道を歩く「橘本(きつもと)神社~御所の芝」往復2時間30分の低山コースをハイキングしてきました。橘本神社の参拝後、旧熊野街道を歩いた記事に続き、本記事では熊野古道に入って本格的な山道へ入ります。 【写真】みかんに囲まれた熊野古道ハイキングをチェックする(全15枚)
熊野古道を彩る季節の草花
ハイキング歴20年以上になる母との山登り。ビギナーの私が計画したコースだったので、きっと簡単なコースだろうと踏んでいた母は普段より軽い装備で挑んでいたため「もう疲れた、アスファルトしんどい」と、序盤からキャリアを疑いたくなるセリフを連発。ですが、山道に入った途端に本領を発揮しはじめました。 「この黄色い花はツワブキ。冬のはじまりに咲く花だよ。海岸近くに生えやすい植物だから、ここが海に近い証拠。ほら、こっちには紫色のアザミも咲いてる」と、足元の花を次々と解説してくれました。 ハイキングの醍醐味は頂上の景色とばかり思い込んでいたのですが、道中で出会う季節の草花や野鳥を愛でるのも楽しいものですね。みかんの甘い蜜を狙ってるのかな~とおぼしきヒヨドリの姿も見かけました。
杖がないなら自然の杖をつくろう
倒木のトンネルや畑の水道管が剥き出しになった岩肌など、道なき道を進んでいきます。足場の悪い山道ですが、天然の腐葉土はふんわり踏み心地がよく、アスファルトの旧熊野街道より歩きがいがあります。 熊野古道は、蛇行を繰り返す旧熊野街道をまっすぐ貫くように走っています。いわば、焼き鳥の鶏皮と串の状態なので、定期的に接続ポイントがあり、車道を跨いでは看板や石柱を目印に次の山道へと渡っていきます。 杖がないならつくるまで! と、母は山道で拾った竹を杖代わりにしはじめました。童話『わらしべ長者』のごとく、よさげな竹を見つけては次々と交換して最適化。私はその逞しい背中を追うように歩みを進めました。 竹を探しながらも「ここにカラスウリがあるよ。種が打ち出の小槌みたいな形をしているから縁起がいいの」と、山の植物の豆知識を欠かさず教えてくれました。